中国の大学生「英語は8割が話せる」驚きの実態 高学歴・高収入な世帯はオンライン教育に熱心

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中国でオンライン英語学習のサービスを行う企業の元社員に話を聞いた。この企業は中国全土でサービスを展開するほか、一時期日本でもサービスを拡大しようとしたが、リソースを集中させるため、現在は中国のみで展開しているという。

「サービスは中国全土で展開していましたが、メインの地域は上海以北でした。生徒数は当時数万人いたと思います。生徒の年齢は4歳から12歳でした。費用は1回当たり日本円で2000円から3000円でしたが、年間でコースを取ると半額程度になりました」

授業はどのようなスタイルで行われているか。元社員はこう語る。

「授業はPCやiPadを使って、英語ネイティブの先生と英語で会話します。事前予習のビデオがあって、オンライン授業は25分、終わると宿題があるかたちです。サービス開始当初は、子どもが授業に慣れるまで親には一緒にいてもらいますが、サポートはしないでくださいとアドバイスしています」

25分以上は「子どもの集中力が続かない」

なぜ25分なのかと聞くと、「子どもの集中力がこれ以上続かないから」と元社員は答えた。

小学校の低学年の英語学習時間は1授業20分とされており、これにならったかたちとなっている。

「中国オンライン教育白書2017」によると、「Beishangguang」と呼ばれる4大都市(北京・上海・広州・深セン)が、子ども向けオンライン英語学習市場の中心地といわれている。これらの都市を含む沿岸部が市場全体の8割を占めているが、この地域は経済的に発展しており、親が子どもの英語能力を向上させることに熱心なためだ。

白書によると、オンライン学習する子どもの平均年齢は約6歳で、利用者の世帯所得では、いわゆる中間所得層が半数以上を占めている。元社員はこう語る。

「北京や上海のような大都市は、親の学歴が高くて経済力があり、子どもの教育に熱心です。 富裕層は2、3歳の頃から子どもに英語を学ばせていますね。北京や上海は、中国国内でいちばんいい学校があり、いちばん優秀な先生たちが集まっていますから、オンラインへのニーズは大都市のようないい教育を受けられない地方都市や中間所得層のほうが高いかもしれません」

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