親は将来設計のために子に英語を学ばせる
今年1月、筆者は北京郊外の少年サッカークラブにいた。北京は青空が広がっていたが、気温はマイナスで、グラウンドには数日前に降った雪が残っていた。
早稲田大学院で中国の小学校の英語教育を研究していた筆者は、北京の子育て世代の「英語熱」を調査しようと、子どもの練習を見守る母親たちに「子どもにどんな英語教育を行っているか」をヒアリングした。
「夫と私はいつも子どもに言っています。『サッカーのプロ選手になって海外で活躍したいなら、英語はしっかり勉強しなければいけない』と」
この母親の7歳の子どもは、5歳から幼稚園で英語を学び始めていた。またこの家庭では、子どもが小学校に入学するのと同時に、英語の学習塾に通わせている。
「サッカーは集団の規律を学ばせるために始めましたが、英語は将来設計のためです。サッカーをフックにして、子どもに英語の大切さを説き続けています(笑)」
また、同じ7歳の男の子をもつ母親はこう語った。
「子どもはサッカーのプロ選手になることを夢見ていますが、それならまず英語をしっかり勉強することだと言っています。子どもには5歳から英語の学習塾に通わせています。英語は世界語ですし、将来はアメリカかイギリスに留学させようと思っていますので」
「サッカーをするにもまずは英語」という親たち。中国では大学生の約3割が、小学校入学前に英語を学び始めているというのもうなずける(筆者調べ)。
練習が終わった子どもたちに筆者は、「将来外国のリーグでプロとして活躍したい?」と聞いてみた。
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