両国高校、すごい進学率を支える英語の秘密 「3つのコツ」でスピーキングが得意になる

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「非常識」と言われた英語授業のすごい効果とは?(写真:パームツリー / PIXTA)
「高校までに習った文法事項は大体理解している」「TOEICは高得点」「日頃からコツコツ勉強中」……、なのに、話せない。そんな「知識はあるのに話せない」状態を脱却するには、どうすればよいでしょうか?
教えてくれるのは、教師も生徒も英語オンリーという一見「非常識な授業」で注目を集める東京都立両国高等学校の英語教諭、布村奈緒子さん。教えた生徒はネーティブと英語で雑談するようになり、入試でも結果を残すなど、確実に成果を上げています。
テキスト不要の英語勉強法』の著書もある布村さんに、話せるようになる勉強のやり方のコツを聞きました。

「非常識」と言われた授業のすごい効果

2017年3月現在、私は都立両国高校で英語の教師をしています。授業中に私が使う言語は英語だけ。生徒への指示も、生徒同士の会話も基本的に英語オンリーの授業です。私の受け持つクラスでは、予習の必要はなく、辞書はなるべく引かず、全文和訳はなし、英文法解説もなし。教科書を使わないことも多く、教師はできるだけ教えない……。

こう言うと、たいていは驚かれて「生徒が理解できないんじゃない?」「入試に対応できないのでは」などと言われ、「非常識」と批判されることさえありました。

けれども、この授業を受けた生徒たちは「ネーティブのALT(外国語指導助手)と英語で雑談」「GTEC(聞く・読む・話す・書くという英語の4技能の能力を測るテスト)のスピーキングテスト満点になる子が出る」「大学進学後、クラスメイトにネーティブ講師との通訳を頼まれる」など、確実に力をつけています。

さらには、2013年度に国公立大学進学率で両国高校が都立高1位になるなど、入試でも結果を残しています。理系も文系も英語は必ず受験科目になるので、英語ができないと入試でいい結果は出ません。また、この年は筑波大や東京外大で英語で自分の意見を述べるタイプの問題が導入されたのですが、実際、筑波大や外大の合格者数が増えました。そしてこれが、両国高校の躍進の原動力になったのです。

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