両国高校、すごい進学率を支える英語の秘密 「3つのコツ」でスピーキングが得意になる

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1人ひとりの生徒に評価をつけなければならず、教員の側からもなかなか大変な作業なので、同僚のある先生は、受け持ちのクラスが高2に進級したときに、プレゼンを廃止することにしました(授業はすべて英語なので、十分と解釈したのです)。するとそのクラスで何が起きたかというと、成績がガタッと落ちてしまったのです。アウトプットの機会が圧倒的に少なくなったために、英語の定着度が落ちてしまったという例です。

コツ3:「簡単な英語」「話しやすい相手」から始める

英語が話せない理由の1つに、「難しい単語を使おうとしてしまう」ことがあります。特に、受験でたくさんの英単語を覚えた人は、日本語に引きずられて難しい英単語を使おうとしがちです。そして言葉に詰まり、「やっぱり英語で話すのは難しい……」と思ってしまうのです。会話の上達には、子どもでもわかる、やさしくてシンプルな英語を使うのが大事だということを、ぜひ覚えておいてください。

たとえば、「これは栄養がある」と説明するとき、「nourishing(栄養がある)」という単語が出てこなくても、「This is good for your health.(これは健康に良い)」と言えば、言いたいことは十分伝わります。それでいて、この言い方が幼いかというと、そんなことはありません。ネーティブも、日常会話で使っているのは大部分が簡単な表現です。

このような会話を、まずは日本人同士でやってみましょう。「英語で誰かと話す」と言うと、たいていの人が外国の、それも英語圏の人と話すことをイメージするようですが、日本人同士で英語を使って話すことは、意外と効果的です。両国高校の生徒たちが日々授業で行っていることです。

1度、生徒たちに「英語を使うとき、誰と話すのが話しやすいか」というアンケートを取ったことがあるのですが、そのときも「ネーティブのALT」「日本人の教師」を押さえ、「日本人の生徒同士」という答えが最多でした。「いきなり外国人と話すよりも気楽」なのだそうです。

話せるようになりたければ、発音や表現を気にするより、最初は「とにかく英語で話し始めて、話し続ける」こと。ですから、気楽に話せる日本人同士がいいのです。初めは日本語が交ざっても構いません。まずは、誰かと英語で話すことに慣れましょう。

締めくくりとして、1人で今日からできるトレーニング法「エア英会話」をご紹介します。音楽に合わせて格好よくギターを弾く「ふり」をするのが「エアギター」なら、英語素材を読んだり聞いたりしながら、誰かと会話する「ふり」をするのは「エア英会話」。もちろん造語ですが、このエア英会話は、英語の上達に欠かせないと言ってもよいもので、私も日々実践しています。

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