中国人の英語習得は日本人と一体何が違うのか 小学生が自習する教材は日本の中学卒業レベル

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ここで注目したいのは、教育部では子どもの成績を試験の点数でつけてはいけないと教育現場に徹底していることだ。成績評価の基準は、あくまで授業での興味・関心の度合いやコミュニケーション能力だと定めている。

上海の公立小学校で英語の教鞭を執っていた元教員はこう語る。

「小1は20分授業、小2からは40分授業で週3回でした。1年生ではまず授業で使う英語を覚えさせます。例えば『これを見て』とか『話して』とか、先生からの英語の指示を最初に覚えさせて、2年生からは授業をすべて英語で行います」

また、授業では子どもが英語学習を楽しいと感じるように、英語による遊び、歌やロールプレーを中心に展開しているという。

「歌やロールプレー、ダンスをやりながら、単語や慣用句を覚えさせます。導入当時は先生のお手製カードを使っていましたが、いまは視聴覚教材をよく使っていますね。学校で英語のテープをヒアリングさせて、家で音読を録音させ、翌日提出したものを先生がチェックします。英語テキストの暗記もさせて、子どものリーダーがチェックすることもあります。とにかく発音は低学年のうちに習得させて、小さいときにクセがつかないようにしますね」

北京の名門小学校の英語教員もこう語る。

「導入当初は1、2年生に20分授業がありましたが、いまはもうすべて40分授業です。5、6年生は週4回、4年生以下は週3回ですね。教材は当初は教科書だけでしたが、10数年前から視聴覚教材も使うようになりました。発音とイントネーションを習得するために1年生のときからシャワーのように大量の英語をヒアリングさせ、そのまま繰り返すことを続けます。家に帰っても10分から20分は、英語を聴くようにさせていますね」

文法はどうやって教えるのか?

「では文法はどうやって教えるのか?」

2人に聞いてみた。すると上海では「5年生から」、北京の教員は「小学校ではほとんど教えませんね」という。

「なぜですか?」と聞くと、北京の教員はこう答えた。

「当初は文法も試してきましたが、小学生は教えても習得できないし、英語が嫌いになります。学校ではとにかくヒアリングとスピーキングです」

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