国内旅行では、鉄道の利用機会も少なくないだろう。その場合の感染リスクはどうなのだろうか。
国内の鉄道では、航空機同様これまでクラスターの発生は報告されていない。とはいえ鉄道の車内がノーリスクというわけではない。実際、2020年6月23日から26日にかけて、東海道線や横須賀線のグリーン車にアテンダントとして乗務し、改札業務や車内販売を行っていたJR東日本のグループ会社に勤務する20代の女性社員の感染が確認されている。
鉄道利用時にソーシャルディスタンスを確保する手段として、きっぷは事前にインターネットで予約して、自動券売機で発券しておきたい。これで、きっぷ売り場の行列を避け、感染リスクだけでなく時間も節約できる。
乗車時も、余裕を考慮するあまり早めに行って密閉状態となった待合室で長く待つことも避けたい。セキュリティチェックがある航空機と異なり、鉄道はきっぷさえあれば、直前に駅についても十分間に合う。早めに駅についたとしても、天気がよければ屋外で待機すればよいし、それが難しい場合は駅前の比較的空いた店舗などで時間を調整するという選択肢がある。
「逃げ水」作戦でリスクを軽減
次に車内でどの席に座るかという点だ。特に編成の長い自由席の場合、車両によって混雑度に大きな差があることが少なくない。筆者は列車を待つ場合、最後尾付近のホームに立ち、車内の混雑具合を目視して、最も空いている車両に乗り込むようにしている。これは感染リスクを下げるだけでなく、快適性も高くなるので、新型コロナ感染症対策とは無関係におすすめできる。
指定席の場合はどうだろうか。窓口で買う場合は係員に「できるだけ前後に人がいない席」をリクエストできるし、インターネットで購入する場合は、自分で座席表を確認しながら座席番号を指定することができる。座席は後で変更することもできるので、乗車日が近づいてきた段階で、自分の席の隣席や近くに他の乗客が来るようであれば、「逃げ水」のようにほかの席に変更してしまえばよい(満席の場合は不可能だが)。
また、乗り心地は悪くなるが、客室の端の席を指定すれば、前方ないし後方に座席が存在しない分、リスクの軽減が見込める。
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