大卒と高卒「コロナへの警戒姿勢」の決定的な差

人々はどれだけ自発的に社会的距離を取ったか

自粛に対する考え方や感染予防の行動は一律ではなく、置かれた環境によって異なってくる(写真は5月7日、東京・品川駅で撮影、ロイター/Kim Kyung-Hoon)

5月23日、新型コロナウイルスの感染者数は世界で500万人を超えた。この数字はその後も1日当たり約10万人のペースで増加しており、感染終息の目途は立たない。その一方で、各国政府は徐々に経済活動を再開しようとしている。

アメリカでは5月20日にコネチカット州が規制を緩和したことで、50州すべてが経済活動を部分再開することとなった。ヨーロッパ各国も規制緩和を進めている。そして日本でも、安倍晋三首相は1カ月半にわたる緊急事態宣言を5月25日に全面解除。街中では営業を再開する店舗も増えてきた。

しかし、経済活動の再開には、感染再拡大のリスクが伴うことも事実である。実際、日本より早く経済活動を再開した韓国・ソウルのナイトクラブでは、集団感染が発生し、200人以上が新たに感染した。これを受け、韓国政府は当初5月13日に予定していた学校の再開を延期した。

今後、日本で感染再拡大は起こるのか? またその時、これまで以上に厳格な対応が必要となるのか? それとも、より経済負担の低い新たな対策を打ち出すことができるのか? この問題は多くの人々にとって大きな懸念となっている。

人々の自発的なソーシャル・ディスタンス行動は?

もし厳格な対応を行った場合、その経済被害は深刻なものとなる。現にアメリカは、長期にわたる外出制限の結果、失業率が2月の3.5%から3月に4.4%、4月には14.7%にまでハネ上がった。日本においても、兵庫県立大学の井上寛康准教授と早稲田大学の戸堂康之教授のシミュレーション結果によると、仮に東京が1カ月のロックダウンをした場合、GDPは5.3%減少する可能性がある。

その一方、ブラジルのように経済活動を優先した場合、感染者数は増加の一途をたどり、医療崩壊を引き起こすことになる。

こうしたジレンマの中、今後、医療崩壊の回避と経済活動の継続を両立するうえでカギとなるのが、人々の自発的なソーシャル・ディスタンス行動である。

そこで筆者は、東京大学社会科学研究所の飯田高教授、石田賢示准教授、伊藤亜聖准教授、加藤晋准教授、ケネス・盛・マッケルウェイン教授とともにオンライン・アンケートを実施し、緊急事態宣言以前のソーシャル・ディスタンス行動を分析した。本稿ではその分析結果を報告する。

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