経済学が示す「コロナ感染」への有効な防止策 人々はどれだけ自発的に社会的距離を取ったか

✎ 1〜 ✎ 344 ✎ 345 ✎ 346 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アンケートは、3月25〜27日に実施。調査対象者は全国に住む30代、40代の男女で、回答数は2798人である。このアンケートでは、今年1月から3月における「対面で会話した人数(1日当たり)」「夕食の外食頻度(1週間当たり)」「1時間以上公共交通機関を利用した頻度(1週間当たり)」を質問した。本稿では、これらの行動をソーシャル・ディスタンスの指標として用いる。

以下のグラフはこれらの指標の変化を表したものである。

(外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

ソーシャル・ディスタンスの変化は鈍かった

全国ではソーシャル・ディスタンスは若干変化しているものの、そのスピードは遅かった。また、外食の変化に関してはもともと頻度の少ない人々がさらに自粛したことによるものであり、週に4回以上外食する回答者の割合は3月時点でもほとんど変わっていなかった。

ただし、首都圏をはじめ感染拡大が進んだ都道府県では、人々がより自粛していたことも確認された。筆者らの推定では、居住する都道府県内の感染確認者が100人増加すると、1日に対面で会話する人数は0.5人減少、1時間以上の公共交通機関の利用頻度は週に0.1回減少、また夕食の外食頻度は週に0.1回減少する傾向が確認された。また、隣接する都道府県で感染者が増加した場合も、公共交通機関の利用が減少した。

次ページ教育水準による行動パターンの違いが顕著に
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事