第2波来たのに緊急事態宣言に及び腰な3つの訳 今のうちに経済を回さないと冬に耐えられない

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7月上旬の東京駅近辺。マスク姿で集まって話すサラリーマンたち(撮影:今井 康一)

東京を中心として全国に再び新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあります。第1波を抑え込んだ日本ですが、この先をどう見たらいいでしょうか。

まずはWHO(世界保健機関)が公表している「COVID-19ダッシュボード」の日本についてのグラフ(図1)をご覧ください。

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

6月下旬から新型コロナの新規感染者数が増加を始め7月に入って急増しているのがわかります。グラフの中ほどに目をやるとちょうど政府が4月初めにわが国初の緊急事態宣言を発動するかどうか迷っていた時期と、直近の感染者数のグラフの形が同じであることがわかります。

政府や自治体は情報操作をしている?

日本では4月7日に緊急事態宣言が発令されると翌日から公表される感染者数は500人を超える新しい水準へと移りました。これはまったくの邪推ではあるのですが、コロナの患者数が東京五輪の延期が決まった3月24日の直後に増え、緊急事態宣言の直後にも増え、そして今回、7月5日の都知事選挙の直後に東京都の感染者数が増え始めたことで、われわれ一般国民から見ると政府や自治体は何らかの情報操作をしているのではないかと勘繰りたくなります。

それにしても政府はこの状況においても「直ちに緊急事態宣言を出すような状況ではない」という認識を表明しています。これはいったいなぜでしょう。その背景にある3つの理由について解説してみたいと思います。

理由1 前提が違う

政府が「4月のときと違う」と言う背景には同じような数の新規感染者が出てきていても4月とは前提条件が違うという論理が存在しています。4月の緊急事態宣言発動時に最も危惧されていたのは医療崩壊でした。当時と比べると感染者には30代以下の人が多いことで重症化する人の割合が少なく、医療現場は逼迫していないと言います。

別の前提として当時とは違いPCR検査数が激増しているという事実もあります。覚えていらっしゃる方も多いと思いますが3月頃まではとにかく各地の保健所は理由をつけてPCR検査を受けさせることに消極的でした。東京都では4月頭頃までは1日の検査数が500件に満たない状況がずっと続いていました。これが4月中頃には1日1000件程度、5月には1500件程度と増加し、その後カウントの仕方が途中で変わっているという事実はありますが、7月現在で1日3500件程度の検査が行われるようになりました。

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