第2波来たのに緊急事態宣言に及び腰な3つの訳 今のうちに経済を回さないと冬に耐えられない

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そして知識としてわかることは南半球の6月、7月は、北半球の12月、1月にあたることです。あくまで新型コロナは未知の病気である部分が多く医学的には断言しにくいことが多いのですが、少なくとも統計学的に推論すれば日本もアメリカも12月や1月に感染した場合には今よりも重症化リスクが高くなることが十分に推論できます。科学的にはこれからちゃんと解明されてくるでしょう。

つまり現時点でまとめると日本では7月の段階で経路不明の感染者数が増加しているため、すでにクラスター対策で封じ込めが難しい状況になっている。抗体を持っている国民は0.5%以下と非常に少なく、接触すれば感染リスクが高い状況は変わっていない。この前提のままで日本が冬を迎えざるをえない状況が政府にはわかっているということです。

スペイン風邪のときも第2波のパンデミックの被害が大きかった。おそらく新型コロナもそうなるリスクを政府は強く感じているのでしょう。そしてそれまではできるだけ経済を回復させる必要がある。だからこの夏の間、政府は経済を極力止めたくない。

これは生活者としての国民にとっては不安なことですが、労働者としての立場の国民感情としてはなんとしてもそうしてほしいという話です。3月、4月、5月と働く機会が減っただけでこれだけ大変だったのですから、少なくとも7月、8月、9月はしっかりと働かせてほしいと多くの国民が考えているのは当然です。

奇妙なニューノーマルが始まっている

ただ、状況は悩ましい。政府は「安心して外出してお金を使ってほしい」とアピールする一方で、50代以上の国民は「そうはいってもコロナは怖い」と自主的に消費にブレーキをかけるからです。

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政府は夜の街をあたかもコロナの悪者であるかのようにアピールしますが、風俗、キャバクラ、ホストクラブに行かなければ新型コロナにかからないわけでは決してない。直近では夜の街関連の感染者の割合が減って、それ以外の感染経路が都内では4分の3を超えてきたのですから。

こうして政府は極力、第2波を認めず、緊急事態宣言を検討せず、経済優先を掲げる一方で、国民は自衛目的での自主自粛に入るという奇妙なニューノーマルが今こうして始まっているのです。

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