『宇宙飛行士はこうして生まれた 密着・最終選抜試験』というNHKスペシャル(2009年放送)を今でも覚えている。宇宙航空研究開発機構が10年ぶりに実施した選抜試験に応募した963人のうち、最終選考に残ったのは10人。心技体を兼ね備えたエリートたちの極限の戦いを追っていた。唯一の女性として「ファイナリスト」に選ばれていた女性が本連載に登場してくれる。
産婦人科医の江澤佐知子さん(41歳)は、今も宇宙飛行士を目指しつつ医療分野でもエネルギッシュな活動を続けている。医学博士であり、臨床医として診察と治療にあたる傍ら、電子母子手帳を開発・運営する会社を設立、さらに子宮頚がんの予防・検査を啓蒙することを中心としたNPOも女性医師仲間と結成しているという。どんな育ち方をしたらこんなスーパーウーマンになるのだろう……。
インタビュー場所は、江澤さんが行きつけだという西麻布の「祈年 手打茶寮」。そば店を指定するなんて粋だなあ。昼過ぎに現れた江澤さんは、本当は31歳ではないかと疑うほどの肌の美しさである。聞けば、この3年間は独自開発の美容クリームしか使っていないという。うーむ、すべてがカッコいい。軽い興奮状態のまま話を聞くことになった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら