自己主張できる日本人になりたい!
――江澤さん、このお店のそば、すごくおいしいですね。
そうでしょう。のびちゃうともったいないのでインタビュー前に食べませんか。大宮さん、今日は何時まで大丈夫なんですか。15時半? わかりました。後から巻きで話しますのでまずは食べましょう。
――お気遣いありがとうございます(しばらく昼食)。江澤さんはお父さんも医師だと伺いました。医師を目指したのはその影響ですか?
それはちょっと話をはしょりすぎです。小さい頃は『なるほど! ザ・ワールド』のレポーターになりかったんですよ。
――フジテレビの人気情報番組ですね。懐かしい……。
揚げたアリをご飯にかけて食べている人たち、ウジがわくことでチーズのおいしさを見極めるヒマラヤ山麓の村長さん、などがいることを知りました。世界は広くていろいろな社会や言語があるんだなあ、と毎回楽しみに見ていましたね。
父は産婦人科医として忙しく働いていたのに、私たち子どもをいろいろなところに連れて行ってくれたのを覚えています。「フカヒレを食べに気仙沼に行こう」とか、「森の木にシロップを塗っておくとカブトムシやクワガタがたくさんやってくるぞ」とか。実際に経験させてくれて、好奇心を形にしてもらいました。
兄と妹の幼い3人だけで、母の実家まで電車の旅をしたこともあります。でも、物陰から母が見守ってくれていました。「子どもが本当に困るまでは手を出さない」という愛情深い放任主義の家庭で育ったと思います。
――好奇心を形にしてくれるっていいですね。
でも、小学生まではすごくおとなしい子で、「NOと言えない日本人」だったんですよ。お姉さんっぽい子に従わされているのが嫌で、「このままじゃいけない!」と思って、中学生のときに(積極的な性格に)変わるように心掛けました。
高校・大学時代ではホームステイをしたりインドやシリア、ネパール、トルコを友達とバックパッカーで回ったり……。ダマされることも多くて、「海外では自己主張をしないと誰も見てくれない。英語でケンカができるようにならなくちゃ」と感じましたね。口語の英語は映画のセリフをメモして覚えました。
今でも日本人が(欧米人に)変に遠慮している姿を見るのは嫌です。人類は兄弟なのにおかしい。知人の外国人が「スピード違反で警官につかまったけれど、英語でまくし立てたら許してもらった」なんて言っているのを見ると、「なに~!」と腹立たしくなります(笑)。
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