怒りすぎてすべてを失う恐れあり

第5回 「数値化テクニック」で怒りのサイズを知ろう

尺度のない怒りの感情

怒りの感情はとても幅が広い感情である。怒っているか、いないか、の2択ではない。カチンときても、すぐに忘れてしまうレベルの怒りもあれば、怒鳴りたい衝動に駆られるもの、思わず手が出てしまうものまである。

 怒りの程度を表す言葉や表現方法が、「ふくれる」「つむじを曲げる」といった軽いものから、「激怒」「憤怒」「怨念」といった強力なものまであることで理解しやすいだろう。怒りを表すボキャブラリーについて、熟語だけでみても、ほかに憤激、激高、癇癪、立腹、怒気、憤慨、憤懣、反感、痛憤、公憤、義憤、鬱憤、怨嗟、怨恨、悲憤などが挙げられる。

 怒りの感情の幅広さを確認していただいたのには理由がある。怒りの感情をコントロールしにくいのは、重さや長さのように、「どのくらい怒っているか」を表す「尺度がない」ことが要因のひとつだからだ。

 例えば、気温のように、「今日は25度だからジャケットはいらない」、飲料のように「今日はビールを500ミリしか飲まない」といった具合に、怒りの状態についても「数値化」できれば、今の自分の怒りの「レベル(段階)」を認識できるので、レベルに応じた対処を考えることが可能となろう。

 また、強すぎる怒りを示す人は、感情をより強く出すことで自分を表現しようとし、「怒ればなんとかなる」、「怒鳴ったほうが相手に響く」と考えていることが少なくない。怒っていることが伝わらないと感じたら、余計にわめいたり、怒鳴ったりするのだ。この傾向は、幼い子どもが泣き叫ぶことで、自らの主張を通そうとする様子とある意味共通する。困ったら怒るというメンタルを作っているのだ。

 事実を指摘されたことで怒りをあらわにする、いわゆる「逆ギレ」も、強い怒りを示すことで、なんとか自分の言動を正当化しようとする未熟さの露呈だ。やはり、自身の怒りのレベルをある程度の正確性をもって把握することがトラブルの予防につなげやすい。

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