カレーのココイチが、タイで人気沸騰のワケ デートも商談も「3000円カレー」を食べながら

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「結婚相手」を、間違えない

ココイチが成功したもう1つの大きな理由は、「結婚相手」を間違えなかったことだ。つまり、自前主義にこだわらず、現地パートナーとの協業にうまく成功したことだ。

多くの日系企業が自力での展開にこだわる中、ココイチは現地の大手外食チェーンと手を組み、しかもフランチャイズ展開で運営母体は現地チェーンに任せることにより進出を図った。

進出したばかりの日系企業が単独で事業を進めるといっても、そうそう簡単に的確な物件情報をつかめるものではない。1等地の出店は大きなリスク。しかも、どのエリアがどんな客層が主体なのかといった、マーケティング情報もない。現地での食材調達や、人材採用・オペレーションの確立も難しい。そこをうまくクリアさせたのが、パートナーの存在だったというわけだ。

タイで組んだ相手は、大衆日本食チェーンの大手、「FUJIレストラン」というグループ。現地での大手チェーンとしてのノウハウを持っているため、日系が進出する際に直面する問題をうまくクリアしてくれた。

もっとも、同業と組めばうまくいくと言うわけではない。客層が競合してしまう場合や、方針がズレた場合などは決裂することも多い。ココイチが、味・メニューのノウハウを持ち、店舗出店や調達・運営に関しては、パートナーであるFUJIの力を借りた。この場合、FUJIは、日本食といっても大衆食のため、客の奪い合いもなかった。成功の果実を共有できる「結婚相手」を、他に取られる前に選んだことが、もう1つの勝因だったのだ。

ココイチのタイでの成功の要因を2つあげたが、現場には日本では考えられないほどの苦労があるものだ。「立ち上げたときは、本当に大変だった」と語るのは、タイの1号店出店当初から現地の代表を務める浅川幹大氏だ。まだ数店舗しかなかったときに、こんなことがあったという。

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