コロナ禍にフランス人が突然「目覚めたこと」 ロックダウンでも楽しめることは多々ある

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こうした中、料理番組の人気も沸騰。今、最も勢いがあるテレビ番組の1つは、毎日午後6時30分~7時30分に放送されている、人気シェフ、シリル・リニャック氏監督の「Tous en cuisine」です。

リニャック氏はさまざまな地域に住む抽選で選ばれた一般人、そして有名ゲストと一緒に、それぞれの自宅で食事を作ります。すべての過程を確かめながら、冗談を交えておしゃべりし、最後にはその日にディナーで食べられる2種類の料理が出来上がるというものです。多くの人がこの番組を見ながら、楽しく料理をしています。

フランス人にとって、食事をしながら、その瞬間を美味しいワインと共有するというのは、人生において最も大切なことの1つなのです。ちなみに国民にとって必要不可欠であるとして、ロックダウン中もワインショップはすべて営業が許可されています!

これからフランスではやりそうなのは?

私の周りの人たちに聞くと、この不思議な時期で最もよかったことは、「時間との新しい関係」だという答えが返ってきました。突然時間が止まり、自分が「異時的空間」に置かれました。これは、大切な人と過ごす時間です。一緒に何かをして喜びを感じたり、絆を深める時間。もちろん、昼も夜も同じ空間でずっと一緒にいることは、とても大変でもあります。

今は、大好きな家で過ごす時間を取り戻す時でもあります。部屋のインテリアを変えて楽しむのもいいでしょう。当初、多くの人が夢中になって家の中を掃除したり、人気の「こんまりメソッド」で断捨離したり、模様替えしたりしました。

フランス人は狭い家でもインテリアを楽しみます。そして誰もが個性を生かした部屋作りをしています。今は24時間ずっと家にいるので、実用的にも精神的にも、部屋作りを楽しむべき時なのです。

次にフランス人の間で流行するものの1つは、裁縫ではないでしょうか。着用が義務付けられている(着けなければ罰金の可能性も)にもかかわらず、マスクはどこにも売っていません。となると、自分で作るしかないのですから!

ドラ・トーザン 国際ジャーナリスト、エッセイスト

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Dora Tauzin

フランス・パリ生まれの生粋のパリジェンヌ。ソルボンヌ大学、パリ政治学院卒業。国連本部広報部に勤務ののち、NHKテレビ『フランス語会話』に出演。日本とフランスの懸け橋として、新聞・雑誌への執筆、テレビ・ラジオのコメンテーター、講演会など多方面で活躍。著書に『フランス式いつでもどこでも自分らしく』『パリジェンヌはいくつになっても人生を楽しむ』『好きなことだけで生きる』などがある。2015年、レジオン・ドヌール勲章を受章。公式ホームページはこちら、 Facebookはこちら

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