コロナ禍にフランス人が突然「目覚めたこと」

ロックダウンでも楽しめることは多々ある

2カ月にわたるロックダウンで、フランスではさまざまなことに「目覚める」人が増えている(写真:筆者提供)

「新型コロナウイルスは『art de vivre à la française(フランス人の生き方)』を好まない」――。フランスのエマニュエル・マクロン仏大統領は、バーやレストランの代表者らとの会議の際、まずこう言いました。実際、ウイルスと戦う唯一の方法は、フランス人を外出させず、厳戒な「制限」を設けることでした。この体制は3月17日に始まり、5月11日まで続きました。

ロックダウン(都市封鎖)は、フランス人の生き方の根本となるものを多くの意味で押さえ込みました。

家族間ですらスキンシップできない

まず、フランス人にとって自由(Liberté)は何より大切なもの。想像してみてください。行きたいところに行き、会いたい人と会い、動き回るという自由が消え去り、代わりに自らの行動を正当化できる書類が必要になったのです。書類を持っていなければ罰金を課されるのです。

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まったく新しい「mesures barrières(自他を守る方法)」や「ソーシャル・ディスタンシング」は、握手、キス、ハグといったフランス式挨拶の“終わり”を意味します。このようなスキンシップはすべて、家族間ですらしばらくの間は許されません。日本人にとっては、この「ソーシャル・ディスタンス」は、すでに日常の一部だと思いますが……。

ロックダウンは、人との過ごし方にも影響を与えました。おいしいディナーを一緒に囲む素敵な時間を表現するのに、フランス人シェフらが使う「convivialité(コンヴィヴィアリテ)」という言葉があります。おいしい食事を楽しむこと、素敵な時間、コミュニケーション、互いとの共有といった意味がありますが、新型コロナによって、フランスにあるすべてのレストラン、カフェ、そしてバーが残酷にも閉鎖となり、家族や友人を招待することすら禁止され、convivialitéは突然姿を消してしまいました。

とりわけカフェは、convivialitéの象徴の1つです。パリの人々は、コーヒーを飲みに、新聞を読みに、人と会いに、ランチやディナーを食べに、ただアペリティフを飲みに、カフェに行っていたからです。

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