コロナ禍「フランス」は1週間で様変わりした

マクロン大統領の演説から生活が一変

17日からフランスでは正当な理由がなければ外出できなくなった。パリの街もひっそり(筆者撮影)

ご存じのとおり、私はフランスと日本を行き来しています。今回は自由から囚われの身へ、恐れ知らずから強い猜疑心へといったように、たった1週間の間に大きく状況が変わりました。

パリに戻ったのは3月10日のことでした。私は不安とともにシャルル・ド・ゴール空港に降り立ちました。どこから来たのか、発熱があるかなど確実に尋ねられるだろうと思いました。私は新型コロナウイルスの発生源であり、感染が進む「危険な」アジアからやって来たのですから。

カフェで平気でくしゃみをしていた

実際は何も尋ねられませんでした。ウイルスをうつしてしまう危険性については何も、です。私以外にマスクをつけている人はいなかったし、恐怖や不安も見受けられませんでした。手を消毒するアルコール液もなければ、質問も勧告もありませんでした……。

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パリに到着後、市中心部の自宅近くにあるカフェに飲みに出かけたのですが、そのとき隣のテーブルとの近さや、大声で話したり、平気でくしゃみをしたりする人たちの様子に心が落ち着きませんでした。

ここでもとくに変化はなく、日常生活を送るパリジャンたちの姿がありました。コロナウイルスの影響によるストレスや不安、特別な行動は見られませんでした。高まる不安を感じずにはいられなかった日本からやって来た者として、パリジャンたちはとてもあっさりとしていて、やや無責任なように感じました。

フランスに戻る前、東京ではほぼずっとマスクをつけることに慣れていました。ただ、ほかの人たちと同様、学校を2週間休校にするほか、博物館や図書館、とくに濃厚接触が起こる集まりを禁止するといった安倍首相の突然の発表には、他の人と同じく驚きました。2月26日に書店での「サイン会」を予定していたのです。

出版社から予定どおりに実施するかどうかの確認がありました。私は握手なし、マスク着用でやりましょうと答えました。実際にはそのわずか数時間後に翌日からの集会が一切自粛となりました。それでもお店や飲食店は営業を続けました。中国人観光客が消え、家から出る日本人もわずかしかいない銀座はひっそりと静まり返っていました。

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