一方、フランスでは5000名以上の集まりが禁止され、その後制限は1000名以上、100名以上へと変更された後、一切の集まりが禁じられました。
パリに着いた翌日、チャンピオンリーグの一大試合であるパリ・サンジェルマン(PSG)対ドルトムント戦が行われました。ただし無観客での試合となりました。とても奇異に感じられたものの、これは賢明な判断でした。
無観客試合の外ではお祭り騒ぎ
その頃パリの名所であるパーク・デ・プランスの外には約4000名の熱狂的なファンが集結し、ようやくパリ・サンジェルマンが次のラウンドに進む資格を得たことに狂喜乱舞していました。なんというパラドックスでしょうか。屋内では禁止されているからと言って、何の制限もない屋外でウイルス感染の危険性を高めるとは……。
12日、フランス国民はその夜に行われるエマニュエル・マクロン大統領の演説を心待ちにしていました(フランスはこの時点でイタリアに続き、ヨーロッパで感染者数が2番目に多い国になっていたのです)。
マクロン大統領は演説の中で主にすべての学校、育児施設、大学の休校に言及したほか、できる限り大多数の人たちが在宅勤務をするよう要請しました。ほかには高齢者(70歳以上)は外出しないこと、エッフェル塔、ルーヴル美術館、ヴェルサイユ宮殿、ポンピドゥセンターなどが閉鎖されることが発表されました。
ところが、驚くことに3月15日の地方選挙の第1次投票は計画どおりとされました(第2次投票は3月22日に予定されていましたが、もちろんそれは延期となりました)。フランス国民は外出を控えるよう言われたものの、大きな圧力はありませんでした。
14日のこと、おいが暮らす家で彼の誕生日を祝っていたところ、突然スマホにニュースが舞い込んできました。大統領が飲食店やバー、クラブなどに対し、発表から4時間後の午前零時以降の営業を全面的に停止するよう命じたのです。
多くの飲食店経営者やシェフのショックがわかるでしょうか。食材やスタッフについて算段をつける時間もなく、いつ営業を再開できるのかもわからない……。フランス国民はそのとき、国内でのコロナウイルス感染拡大の実態、とくにその急速なスピードに気づいたようです。真の問題は医療機関に対する過剰な負担です。
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