京都で毎年開催されている「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」をご存知ですか? 日本では数少ない国際写真祭で、毎年約1カ月にわたって写真展を含むイベント(今年は4月13日から5月12日まで)は日本人のみならず、海外の人からも高い評価を得ています。京都の美術館や町屋など各所で開催される写真祭(今回は12カ所、13展示)の来場者の年齢層が幅広く、リピーターも多い同写真祭の来場者数は昨年、24万人にのぼりました。
そんな写真祭を立ち上げたのが、フランス人で写真家のルシール・レイボーズさんと、夫で照明デザイナーの仲西祐介さん。レイボーズさんはフランス、仲西さんは九州出身、とまったく京都と縁がなかった2人はいかにして京都で写真祭を開催するに至ったのでしょうか。
もともと魚屋だった場所をアート拠点に
私が取材に訪れた際、2人は出町柳の商店街の一角にあるKYOTOGRAPHIEの拠点(で彼らの家でもあります)で出迎えてくれました。「DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space(デルタ/キョウトグラフィーパーマネントスペース)」は1階が常設ギャラリー兼カフェで、2階はアフリカ人アーティストのための「アーティスト・イン・レジデンス」、最上階はオフィス兼会議室となっています。
もともと魚屋だったこの場所を改装したのは、ちょうど新型コロナウイルスのパンデミックが始まったころ。ここはKYOTOGRAPHIEの拠点である以上に、レイボーズさんと仲西さんの「ライフスタイル」そのものなのです。実際、インタビュー中、彼らの息子が自分の靴のことを尋ねてきたりしました。
現在、KYOTOGRAPHIEのフルタイムスタッフは5人。年間のうち9カ月はスタッフが35人に増え、会期中はボランティアを含めて300人が関わることに。そのすべての総監督をしているのが、共同ディレクターのレイボーズさんと仲西さんです。
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