中国のエネルギー政策を所管する国家能源局は4月17日、2020年1~3月期の全社会電力使用量が1兆5700億キロワット時(kWh)だったと発表した。前年同期比6.5%の減少で、第1四半期の電力使用量としては過去3年で最低を記録した。
産業セクター別では、製造業が中心の第2次産業が8.8%減と落ち込み幅が最も大きかった。サービス業が中心の第3次産業も8.3%減少した。一方、農業や鉱業などの第1次産業は4%増加、家庭の電力使用量も3.5%増加した。
「電力使用量が例年の水準に届かない期間は比較的長く続くだろう」。電力業界のある専門家は、財新記者にそうコメントした。電力使用量の前年割れは2020年7~9月期まで続く可能性があり、プラスに転じるのは早くても10~12月期と予想する。
世界景気の減速で鉄鋼やアルミは在庫の山
その理由について専門家は、第2次産業が「上流と下流の両方に問題を抱えているためだ」と解説した。
新型コロナウイルスの世界的大流行により、製造業のグローバルなサプライチェーンが大きな打撃を受けている。中国国内では新型コロナの流行が落ち着いたものの、製造業は生産設備や基幹部品などサプライチェーンの上流側からの調達が思うに任せないのが実態だ。
一方、鉄鋼業界や電解アルミニウム業界など電力を大量に消費する産業では、もともとの過剰生産体質に世界景気の冷え込みが追い打ちをかけている。サプライチェーンの下流側に在庫が山を成しており、せっかく操業を再開してもすぐに生産停止を余儀なくされるケースが少なくないという。
(財新記者:趙煊、陳雪婉)
※原文は4月17日配信
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