「買い物天国」香港で小売店4分の1が閉店危機

すでに従業員の減給や解雇に踏み切る企業も

香港の街角から観光客の姿が消え、小売業界は生存の危機に直面している(写真はイメージ)

新型コロナウイルスの封じ込め対策の長期化が、「ショッピング天国」と呼ばれた香港に暗い影を落としている。外国人の入境制限や市民の外出自粛が3カ月近く続くなか、香港の基幹産業のひとつである観光業が凍りつき、多数の小売業者が生存の危機に直面している。

小売業の業界団体の香港小売管理協会は4月16日、香港全体に約6万2400店ある小売店舗のうち1万5200店が年末までに閉店する可能性があるという深刻な調査結果を発表した。言い換えれば、香港の小売店舗の4店に1店がなくなりかねないということだ。

香港の小売業の売上高は、2020年2月まで13カ月連続で前年同月比マイナスが続いている。なかでも(香港市民の反政府デモが続いた)2019年7月以降は2ケタのマイナスが続き、新型コロナが追い打ちをかけた今年2月には前年同月比-44%という過去最大の落ち込みを記録した。

5月までに小売業界で1万人以上が失業も

香港小売管理協会の調査は加盟企業152社から回答を得た。そのうちチェーンストアが42%、中小企業が58%を占め、対象企業の店舗数は合計3345店、従業員数は香港の小売業界で働く約26万人の2割強を占める。

売り上げ激減を受け、調査対象の96%が損益は赤字と回答。66%は深刻な赤字と回答した。そんななか、多くの小売企業がすでに従業員の減給や無給休暇、解雇、家賃支払いの延滞、店舗の一時休業、廃業などに踏み切っている。調査対象のうち一部の店舗を閉めた企業は35.5%、一時休業した企業は33.6%、従業員を解雇した企業は48.7%に上った。

本記事は「財新」の提供記事です

今回の調査結果に基づき、香港小売管理協会は2020年2月から5月までの間に1万人以上が失業すると予想する。また、今後の営業の継続について調査対象の37%が「4カ月以上持たない」と回答した。2020年8月までに6600店、9月から年末までに8600店が閉店に追い込まれる可能性があるという。

(財新 駐香港記者:劉雁菲)
※原文は4月17日配信

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