高速鉄道の運営会社の京滬高速鉄道が4月15日、2019年の業績を発表した。同社は北京と上海を結ぶ中国で最も乗車率が高い高速鉄道路線を運営しており、2020年1月16日に上海証券取引所に上場した。通年業績を公表するのはこれが初めてだ。
決算報告書によれば、2019年の売上高は前年比5.72%増の329億4200万元(約5016億円)、純利益は同16.48%増の119億3700万元(約1817億円)。純利益の伸び率は過去3年間で最大だった。
増収増益の牽引車は、旅客輸送人員の上乗せによる売り上げの増加だ。2019年の旅客輸送人員は前年比10.1%増の延べ2億1500万人、列車運行本数は同8.58%増の18万7300本に達した。
駅ナカ商業施設や沿線不動産開発を推進
旅客輸送人員が増加したのは、地方発の路線から京滬高速線に乗り入れる直通列車が増えたことが主因。京滬高速鉄道によれば、他路線からの乗り入れ本数は2019年に13.59%増加。それに伴う線路使用料の収入は前年比12.69%増の170億1800万元(約2592億円)と、同社の総売上高の半分強を占めた。
2020年の事業計画について京滬高速鉄道は、経営多角化の推進を重点の1つに挙げた。具体的には駅構内での商業施設運営や沿線の不動産開発などだ。旅客輸送収入と線路使用料収入を除いた非基幹事業の2019年の売上高は2億7900万元(約42億円)と、総売上高のわずか0.84%にすぎない。
新型コロナウイルスの流行は鉄道旅客輸送に大きな影響を与えている。国家鉄道局などの統計によれば、2020年1~3月の全国の鉄道旅客輸送人員は前年同期比55%も減少した。しかし京滬高速鉄道は決算報告書で、新型コロナの経営への影響は「一時的」との見解を示した。
(財新記者:白宇潔)
※原文は4月16日配信
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