新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、中国の首都・北京の賃貸オフィスビル市場が停滞に陥っている。イギリス系不動産サービス会社のサヴィルズの調べによれば、2020年1~3月期の空室率は13.2%と、2019年10~12月期より0.5ポイント上昇。10年ぶりの高水準を記録した。
オフィスビルの空室率や賃料相場は、その都市の景況感を反映する重要な指標だ。1~3月期の北京では、新型コロナの流行で麗澤金融商務区(訳注:北京市南西部で建設中の大規模オフィス街)の物件引き渡しが延期され、大型オフィスビルの新規供給がなかった。
賃料相場は5四半期連続で下落
新規物件がゼロなのに空室率が上昇したのは、貸出中のオフィスの総面積が縮小したことを意味する。アメリカ系不動産サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによれば、北京では1~3月期のオフィスビルの「純吸収面積」が3万6782平方メートルのマイナスだった。
【2020年4月24日21時50分追記】初出時、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの国籍に誤りがありましたので上記のように修正しました。
純吸収面積とは、同じ期間に同じ市場で新規に貸し出された面積から退去により返却された面積を差し引いたもの。それがマイナスということは、業績不振でオフィスを縮小したり、先行き不透明感から借り増し予約をキャンセルしたりするテナントが増えていることを示唆する。
市場の停滞により賃料相場も下落している。アメリカ系不動産サービス会社のジョーンズ ラング ラサールによれば、北京のオフィスビルの平均賃料は1~3月期は1平方メートル当たり月額379元(約5770円)と、2019年10~12月期より1.3%低下。北京のオフィス賃料の下落はこれで5四半期連続となった。
(財新記者:牛牧江曲)
※原文は4月16日配信
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