日本の働き方をひっくり返した起業家の熱情 「地位やお金じゃない」サードドア開く爆発力
私のように感じる女子が、日本にはたくさんいます。いわば、仮面をかぶって生きている女子が。負けることがわかっているレースで頑張ることは、恥ずかしすぎて、悔しすぎてできないという子が。そういう女子たちの持つエネルギーのもったいなさ!
そう考えると、私のような子が二度と生まれないようにしたいという思いを強くするんです。そして、「生き生きした自分」になってほしいんです。
女子だけでなく、男子にも思いがあります。私は16年間ボランティアで学生相手にプレゼンテーションの講座をもっていて、大勢の男子を見てきました。彼らの中には、「父親は超長時間労働で、母親はそれに不満を持って、いつも父親を悪く言っていた」という家庭に育った子がすごく多いんです。
そして、自分も結婚して父親になったら、こうして嫌われる存在になるんじゃないかと感じている。働くことや家庭を持つことに対して、深い悲しみを持っている。
本当は、お父さんは家に帰りたくなかったのではなく、社会組織の中で帰ることを許されなかっただけで、長時間労働社会のせいだったのですが、父親が自分たち家族よりも仕事が大事で、そちらを選んでいたのだと誤解して深く傷ついているのです。
そういう若者は「お母さんはいつもお父さんを悪く言っていたけど、つまり2人は愛し合ってなかったのか? じゃあ俺ってなんなんだ?」という、自分の存在を肯定的に考えられない不安感も持っています。
こんなふうに子どもたちに不安を再生産する日本社会とはいったい何なのか。そんな憤りがエネルギーになって、すべてのドアをたたいてみるという行動に結び付いているんです。
誰もが可能性を引き出せる社会に
幼少期は活発だった女の子も、周囲の期待を読み取るのが早かった子や、繊細で感受性の高い子こそ、早くに活躍を諦めて、自分の未来を結論づけてしまいがちです。女子は100年先まで空気を読みすぎて、自分からブレーキを踏んでしまいます。
未来がないことを感づいてしまうと、走り続ければ実はあったかもしれない道を、自分で閉じてしまう。ですが、人生は本当にいくらでも変わりようがあるものだと思います。私自身、ドアをたたいたことで、これほど大きく変わったのですから。
本当は誰もが自分の中に憤りのマグマを持っているとも私は思っています。それをうまく引き出して育てられる社会に変えていきたいんです。
(構成:泉美木蘭)
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