日本の働き方をひっくり返した起業家の熱情 「地位やお金じゃない」サードドア開く爆発力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

議員だけの勉強会なのですが、私はなぜかオブザーバーとしてその議論の過程に参加できることになり、具体的にどういった改正が必要なのかについて、提言をし続けました。

今、このプロジェクトチームがまとめた提言が、法改正へ向けて着々と進んでいます。この提言にはなんと、男性のための産休が盛り込まれ、産後4週間は給与を100%保証するという内容になっています。地道に続けていれば、サードドアは開くということだと思います。

自分を捨てて社会の期待に沿う悔しさ

小室さんはどうしてそこまで動けるんですか、と聞かれることもありますが、こんなふうに動き回れる根底には、私自身がずっと持っている社会に対する憤りがあるのではないかと思います。

私は小さい頃、とても活発な子どもで、小学生時代の文集には「夢はバリバリのキャリアウーマン」と書いていました。でも、ある頃から「女子がどんなに頑張っても、女子の道は閉ざされている」「社会で女性に求められている像は、優しいお母さん」ということがわかってきたんです。

男子は勉強すればするだけ報われる未来があるように思わされますが、同じように頑張る女子は、小さいうちは褒められても、だんだん「女子なのによくやるね」「あなたは元気すぎるね」と言われるようになって、迷惑がられ、嫌われてしまう。すると、頑張ることの虚しさを感じるようになるんですね。

自分のやりたいことと、社会から期待されることが違うのならば、人や社会から好かれるような生き方を選ぼう。そうして私は「どうせ負けるとわかっているレースなら、勉強なんてムダ」と考えるようになり、専業主婦志向になりました。「女はお化粧頑張ろう」って、やさぐれちゃったんです。

その悔しさ・悲しさは、本当はずっと自分の中にマグマのようにあったのに、その気持ちは捨てたつもりでいたんです。頑張っても頑張っても負けるのなら、負けたことにならないように、「私は最初から専業主婦志向なの」と周囲に早くから言い訳し、自分をだまそうとしていました。

でも、だませなかった。猪口先生の講演を聞いたことで、「今からでもできるんだ!」と心の奥底にあったマグマが大爆発しちゃったんです。

次ページ男子にもまた複雑な思いがある
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事