「学童保育って、ただ遊んでいるだけでしょ」。そう思われがちなのだが、異なる年齢の、そしてさまざまな特性を持った子どもたちの自主性を重んじながら、指導員は子どもたちに寄り添い、遊びやさまざまな活動を通して成長を支えている。
「指導員がそろってミーティングを行う時間がないので、日々の子どもたちの変化や気になる言動などの共有も難しく、保育中に細切れに立ち話で済ませるか保育後に残って話し合うしかありません」と、Aさんは嘆く。
臨時休校を受けて朝から開所している学童保育所が多いのだが、地域によって開所時間は異なる。例えば、Aさんと同じ大阪市内でも、校内で5時間目まで子どもたちが過ごす校区もある。
そのため、「いつもと同じように放課後の時間帯のみ」と話すBさん(50代)のような、超過勤務とは無縁の指導員もいる。大阪市内は、保護者会が運営する民設民営。当然、施設は学校外にあるのだが、学校との連携がスムーズに行われているところもあるのだ。
指導員を襲う「コロナショック」
では、公設公営はどうか。学校内に設置され、指導員は常勤・非常勤・嘱託・任期付き短時間勤務など身分は異なるものの、自治体に直接雇用されている。
5、6時間目までは学校で受け入れる方針を決めた自治体で働くCさん。20年以上のキャリアを持つ。
「うちでは超過勤務ということはありません。なぜこうなったかは推測ですが、指導員の勤務体制と学童保育の事業内容を行政が総合的に判断した結果からではないかと思います。
ただ、さまざまな情報が流れる中で学校によって対応が違い、運動場で遊ぶことができないといった日常生活が制限されているところもあれば、自由に運動場で遊べるところもあります。適度な距離を保つために、施設を貸してくれるなど柔軟な対応をしてくれる学校もあります」
しかし、Cさんのような自治体が少数派で、朝からの開所のために綱渡りの勤務体制を敷く地域のほうが圧倒的に多い。もともと学童保育の現場では人員不足が慢性化している。責任が重いにもかかわらず、待遇はいいとは言えないからだ。そこに来てのコロナショックだ。
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