ヤマトや佐川、コロナで「海外配送停止」の波紋 国内は一部地域で配送遅延が発生している

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日本郵便でも、新型肺炎に感染した社員が出ている。新潟県三条郵便局、大阪府新大阪郵便局で勤務する社員が新型肺炎に感染しており、当該営業所の業務一時停止により、三条市宛の郵便物やゆうパック、近畿地方で引受あるいは配送するゆうパックについても配送遅延が生じる見込みだ。日本郵便では感染防止策として、従業員のマスク着用を推進している。

業績見通しは変わらず

新型肺炎の影響で国際宅配便が減少する見通しとはいえ、大手宅配3社の売上高において国際宅配便の割合は小さく、それぞれの業績計画を押し下げるほどの要因には現時点ではなっていない。

「新型肺炎による国内の荷動きへの影響はまだ確認できていない」(複数の業界関係者)こともあり大手宅配3社は、新型肺炎の影響を織り込んでいない業績予想のままで据え置いている。

コロナショックに直面した企業の最新動向を東洋経済記者がリポート。上の画像をクリックすると特集一覧にジャンプします

ヤマト運輸の親会社であるヤマトホールディングスは、値上げによる顧客の離反による荷物量の減少を受けて、2020年3月期は売上高が1兆6300億円(前期比0.3%増)、営業利益が400億円(同31.4%減)となる見通し。日本郵便も郵便物数の減少や人件費上昇などを理由に、2020年3月期の営業利益が1400億円(同23.1%減)と、減益になる見込みだ。

一方、荷物量が増加し外注管理によるコストコントロールが効いているSGホールディングスの2020年3月期の業績見通しは、売上高1兆1850億円(前期比6.0%増)、営業利益750億円(同6.6%増)と、増収増益を見込んでいる。

ある物流会社幹部は「中国からの部品などの供給が滞ると、国内の荷動きが鈍化する懸念がある」と話す。新型肺炎により景気が後退すれば、日本国内の宅配便の荷動きも鈍化しかねない。大手宅配への新型肺炎の影響は、今後も注視する必要がある。

佃 陸生 東洋経済 記者

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つくだ りくお / Rikuo Tsukuda

不動産業界担当。オフィスビル、マンションなどの住宅、商業施設、物流施設などを取材。REIT、再開発、CRE、データセンターにも関心。慶応義塾大学大学院法学研究科(政治学専攻)修了。2019年東洋経済新報社入社。過去に物流業界などを担当。

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