ヤマトや佐川、コロナで「海外配送停止」の波紋 国内は一部地域で配送遅延が発生している

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1月末に東京・江東区で竣工した佐川急便の大型物流拠点(撮影:尾形文繁)

佐川急便は2月26日から、ロンバルディア州ローディ県などイタリアの一部地域でのサービスを一時停止した。外務省の「感染症危険情報」では、3月6日にイタリアのロンバルディア州は渡航中止を勧告する「レベル3」に引き上げられている。またイタリア政府は同地域について出入禁止等の措置をとっている。

同社もまた、国内での荷物の受け渡しでも新型肺炎の影響が出ている。3月2日からは、荷物の受領印としての電子サイン利用も原則として取りやめた。電子サインで荷物を受領するには、専用のタッチペンでスマートフォン画面にサインする必要があり、受取り手と配送員の接触が印鑑での受領と比べて増えてしまうからだ。

名古屋の営業所では業務を一時停止

佐川急便の親会社であるSGホールディングスでは、東京事務所などの玄関口にサーモグラフィーを設置し、訪問者の体温が37℃以上の場合は非接触型体温計による検温を実施している。「施設内での感染防止のために実施している。37.5℃以上の体温であれば、訪問者には退館していただいている」(SGホールディングスの広報担当者)。

ただ、3月8日には佐川急便が配送を委託する協力会社の社員に感染者が出ている。これに伴い、愛知県名古屋市の港営業所では業務を一時停止しており、名古屋市の一部地域で集配に遅れが生じる見込みだ。

日本郵便では国内路線における航空旅客便の一部減便・運休に伴い、速達郵便物やゆうパックの配送で、配送遅延が一部地域で生じている。国内路線については、ANAグループが3月6日~3月19日の期間中に47路線908便を、JALグループが3月6日~3月19日の期間中に38路線1078便を、減便とする見通しで、日本郵便はこの影響をもろに受ける。

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