運転士コロナ感染なら通勤電車「半減」の危機も 欠勤率1割なら平日ダイヤは維持できない
厚生労働省が3月1日に公表した「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」にて、集団感染の共通点を「換気が悪く人が密に集まって過ごすような空間で、不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」と言及した。
これらの特徴に大きく当てはまるのが満員電車であるが、政府より小中高の休校要請がでたいっぽうで、企業に勤める人々の多くが電車を利用して出勤しなければならない。
また、コロナウイルスの感染防止によりさまざまな施設・イベントが開催の中止や延期を決めたが、交通インフラの役割を担う鉄道においては、いまだ平常運行を行っているところが多い。また、厚労省からは鉄道各社に対して乗客に時差通勤やテレワークを呼び掛けるよう要請した。もちろん、各社対策を進めてはいるものの、すさまじい感染拡大をみせる中では一刻も早い対応策が求められる。
鉄道現場で広がり始めた
これまで複数の感染者が鉄道を利用していたことはすでに発表されている。例えば、JR西日本においては50代男性が2月21日の特急しらさぎ16号(小松→米原間)および24日の特急しらさぎ59号(米原→小松間)を利用していたことが明らかになっている。航空券への記名が原則的に義務づけられている航空便と違い、いつ・だれが・どこで乗っているかわからないという、不特定多数の乗客が利用することのできる鉄道において感染経路の確認が難しくなることも、国民の不安感を募らせる一因だろう。
また、JR九州においては3月出発分の「ななつ星in九州」およびJR西日本は「トワイライトエクスプレス瑞風」の3月16日分までの運休をそれぞれ発表。そのほかの臨時列車や観光列車も続々と運休の情報が発表されてきており、鉄道運行においても運休措置がとられたことで、今後さらに感染が拡大すれば、その影響は通勤列車などにも波及していくことが予想される。
そして、相模原市の2月24日の発表によると2月22日時点でJR東日本の駅係員が感染した。その後26日になって同僚の陽性診断についても確認され、いよいよ運転現場単位での感染防止についても具体的対策を打たなければならない段階にきた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら