「ルールを作れるおじさんが好き」な一橋美女 星野真里似のエリート美女の「ハウスワイフ2.0」

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2006年に一橋大学を卒業した村岡さんは大手外資系金融機関の投資銀行部門に入る。ある事情で、当初の予定とは違う部門への配属だった。投資銀行は顧客への金融アドバイスで手数料を得る。村岡さんは「仕事は全然面白くなかった」と淡々と振り返る。

「興味のあった不動産業界の案件を手掛けることはできました。でも、アドバイスはしょせんアドバイスなんですよ。3カ月もかけてやっていた案件が、お客さんの一方的な事情で消えたときは空しさを感じました」

一方で、日経新聞に載っていた株価に興味を持った幼い頃の探究心は、満たすことができた。投資家たちと仕事でかかわることで「どのようにして株価が決まるのか」を間近で見るからだ。

「株価を決めるのは私たち証券会社ではなく、投資家なんですけどね……」

リーマンショックで社内は一変

それでも、「魅力的で頭のいい人がたくさんいる」会社生活は楽しかったと言う村岡さん。帰宅はつねに深夜2時過ぎというハードワークな日々も平気だったが、2008年末のリーマンショックで「急に暇になった」と振り返る。

「出社してみたら、会社の雰囲気がなんだかおかしかったのです。同僚に重要な内容のメールを送っても返信が来なくなって……。お客さんからのメールは自動的に転送されて来たりしました。会社にいる人の3人に1人ぐらいがリストラされたという印象です」

まさにハイリスクハイリターンな職場である。「仕事が面白くない」と感じていた村岡さんは、リストラ対象にならなかったのか。

「適性があるかないかと、優秀か否かは別問題だと思います」

清々しいまでの自信である。しかし、上には上がいる。現在の夫である3歳年上の「先輩」である。結婚することに決めたとき、より優秀な夫が会社に残ることになった。

「結婚して家族を作ることは、文化を共有することだと思っています。同じ時間に起きて、朝ご飯を一緒に食べて、同じ新聞を読んで、テレビを見る。自分はこういう人間だと未来にわたって見せ合う。別居婚なんて結婚する意味がないと思います。でも、どちらかが忙しすぎても、時間を共有する余裕が持てませんよね。主人から見たら、体力が追い付いていない私が(金融の)仕事に合っていないことは明らかでした」

リーマンショックから回復して職場が忙しくなっても、出世している夫は夜8時ごろには帰宅できるという。

「(外資系金融で)本当に忙しいのは、会社の席で作業しまくることでしかバリューを出せない5年目ぐらいまでですよ」

その5年目に村岡さんは会社を辞め、専業主婦になることを選んだ。27歳のときだった。現在は、子作りを視野に入れながらの2人暮らしだ。

しかし、リーマンショック後のリストラも乗り越えたほど優秀な女性が、子育て中でもないのに家にいるのはもったいない気もする。日中、何をしているのだろうか。

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