会社人生にNO!米国、専業主婦ブームの真相 共働き大国の、驚くべき実態

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米国女性の主婦回帰を描いた『ハウスワイフ2.0』(文藝春秋)の著者であるエミリー・マッチャーさん
日本は、ジェンダーギャップ(男女平等)指数が136カ国中105位、男女平等“後進国”だ(世界経済フォーラム World Economic Forum, WEF、2013年調査)。
そんな男性優位社会の中で、子を育てながらキャリアを創っていくのは難しい。指数上位国の女性たちは、日本より両立がしやすいのではないか……。そう思うワーキングマザーも多いのではないか。
ところが、同指数23位と日本より状況は大分恵まれているかと思われるアメリカで、今、20~30代の高学歴、中流階級出身の女性に“主婦回帰”の流れが起きているらしい。
「私たちは会社に使われない新しい生き方を目指す。企業社会で燃え尽きた母親世代を反面教師にする」――というのだ。
いったい、若い女性にどのような心境変化が起きているのか? 自身もハーバード大出身の才媛ながら、企業社会を“選択的”に離脱する生き方を選んだ『ハウスワイフ2.0』(文藝春秋)の著者であるエミリー・マッチャーさんに聞いた。

1日8時間労働なんて、大ウソ

――アメリカでは若い女性、それも中流階級で高学歴な女性が企業社会にNOを突き付け、選択的に離脱し始めた。そして、家庭の主婦に回帰する現象が起きているそうですね。いつ頃から発生した現象なのでしょうか?

女性たちが企業社会から退場し始めたのは、10年ほど前から始まった現象です。1990年代後半に女性の約60%が外に出て働くようになりましたが、その後は横ばい状態が続いています。

米国で大きな話題になった、エミリーさん著『ハウスワイフ2・0』

特に、金融やITなど男性中心の職場では、一時期、積極的に女性を採用していたものの、その数は減る一方。金融業界で働く20~35歳の女性はこの10年間で16.5%も減りました。「いつの間にか金融業界から女性が消えた」という記事が、経済誌に載ったほどです。

多忙なコンピュータ業界も同様で、2000年初頭から女性が減り、幹部クラスまで出世する女性は10%以下しかいません。

――それは、やはり長時間労働で家庭と仕事の両立が困難だからですか?

はい。求人広告に「1日8時間労働」と載っていても、8時間+サービス残業4時間は覚悟したほうがいい。そのうえ、夜中だろうと早朝だろうと、携帯電話で呼び出される。それでいて給料は上がらず、手当や福利厚生はすべてカット。おまけに、どんな会社にもリストラという名の亡霊が住み着いています。

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