1日8時間労働なんて、大ウソ
――アメリカでは若い女性、それも中流階級で高学歴な女性が企業社会にNOを突き付け、選択的に離脱し始めた。そして、家庭の主婦に回帰する現象が起きているそうですね。いつ頃から発生した現象なのでしょうか?
女性たちが企業社会から退場し始めたのは、10年ほど前から始まった現象です。1990年代後半に女性の約60%が外に出て働くようになりましたが、その後は横ばい状態が続いています。
特に、金融やITなど男性中心の職場では、一時期、積極的に女性を採用していたものの、その数は減る一方。金融業界で働く20~35歳の女性はこの10年間で16.5%も減りました。「いつの間にか金融業界から女性が消えた」という記事が、経済誌に載ったほどです。
多忙なコンピュータ業界も同様で、2000年初頭から女性が減り、幹部クラスまで出世する女性は10%以下しかいません。
――それは、やはり長時間労働で家庭と仕事の両立が困難だからですか?
はい。求人広告に「1日8時間労働」と載っていても、8時間+サービス残業4時間は覚悟したほうがいい。そのうえ、夜中だろうと早朝だろうと、携帯電話で呼び出される。それでいて給料は上がらず、手当や福利厚生はすべてカット。おまけに、どんな会社にもリストラという名の亡霊が住み着いています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら