――そして、給料にも男女差別が存在する、と。
ええ。フルタイムで働いても、女性は男性より給料が低い。男性が1ドルを稼ぐところ、女性は77セントしか稼げません。
アメリカには、有給の産休すらない!
――本には、「会社にとって理想的な従業員でいるためには、子どもは持てない、子育てはできない」とあります。となると、「女性にとってできることは、仕事を放り出してさっさと家に帰ることくらいしかない」と。
実際、多くの女性が子どもができたら、仕事を辞めるか、パートに変わるか、自宅でできる仕事に変えています。1990年代に比べ、フルタイムで働きたいという母親はかなり減りました。2012年に経済誌が行った調査では、ワーキングマザーの約85%が家で子育てに専念したいと答えたほどです。
実際、1994年は15歳以下の子どもがいる母親の約20%が専業主婦だったのに対し、2008年には4%ほど増えています。その背景には、自治体が財政難で、無駄な支出を片っ端からカットしているため、保育など安価で子どもを預けられるサービスが見つけづらいこともあります。
――しかも、アメリカは産休が保障されていないのですよね。
ええ。先進国で有給の産休がないのはアメリカだけです。そもそも、有給休暇自体、保障されていません。病気休暇さえありませんから、アメリカ人は咳き込み、鼻水をすすりながらキーボードをたたいています。
週に60時間働けと言われ、産休もロクに取れず、子どもがいるだけで給料が減らされる。こんな状況では仕事と家庭の両立は無理です。
――アメリカでも、育児のため、職場から早く帰らざるをえないワーキングマザーへの風当たりは強いそうですね。
世界中そうだと思いますよ。男性社員が、「今日は子どもの野球の試合だから」といって途中で抜けると、「いいお父さん!」だと褒められるのに、女性が同じことをやると、「あの人、子ども産んでから変わったよね」とたたかれる。アンフェアですよ。
――ちなみに、わが日本では、産休・育休の義務づけはもとより、短時間勤務制度の導入率は50%を超えています。もちろん、労働時間が減るだけ給料は減りますが、身分は無期雇用の正社員のままです。
サウンズ・グッド(笑)! すばらしいシステムですね。
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