専業主婦は「良妻」か「毒妻」か  妻に働いてほしくない夫の本音

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これだけ共働きが増えても、夫は妻が家事をすることで満足する。「良妻賢母」の幻想と現実。どんな妻なら重荷にならないのか。

約束が違う。

昨年1月に結婚したPR会社員(26)は、同い年の妻と共働きを続けようと話し合っていた。なのに結婚半年で妊娠がわかった途端、妻は派遣の仕事を辞めて専業主婦になりたいと言い始めたのだ。

家計は分担し、料理は妻、洗濯は夫、掃除はルンバが担当。男性の年収は400万円だが、たとえ1千万円あったとしても、妻にはずっと働いていてほしい。

「働かない理由がわからない。江戸時代じゃあるまいし、家事は機械化されて誰にでもできる単純作業。家にいることにどれだけの価値があるのか」

妻は子どもと過ごす時間の大切さを強調する。

夕食4品以上で満足

「じゃあ僕が育児休業を取って子育てに専念するから、君が働いて」と言い返すと、それは許さないと言う。

「家政婦を雇うために結婚したわけじゃない。一緒にいたいから結婚したんだ」

精いっぱいの愛をこめたメッセージのつもりだ。だが、葛藤もある。

「同じ年収でも、男は妻子を養うべきだという同期もいる。自分は甲斐性のない情けない男なのか。夫婦は同じくらい頑張らないとダメだと思うのですが……」

だから、もしも妻が専業主婦になるなら完全に役割分業し、家事も育児も丸投げだ。自分は年収を上げなければならない。子どもの授業参観に行けなくても文句ひとつ言わない「良妻」になってもらわなければ、「対等」ではないと思う。

2012年の内閣府の世論調査では「夫は外で働き、妻は家庭を守る」という考え方を支持する人が増えて過半数となった。20代を中心に、性別役割分業に賛同する人は増えている。

35~54歳を対象としたアエラの調査でも、妻が働くことを「本音では応援していない」と答えた夫が2割。専業主婦の夫の9割が「妻を愛している」と答え、共働きや「ちょこキャリ」の夫を上回った。

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