専業主婦は「良妻」か「毒妻」か  妻に働いてほしくない夫の本音

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公認会計士の男性(33)は学生結婚で、妻(33)は社会経験がないまま専業主婦になった。男児2人の育児で手いっぱいなのか、週1回ヘルパーに来てもらっても家事が回っていない。男性は帰宅するとまず家族が食べた昼食と夕食の皿を洗い、掃除機をかける。ゴミも自分がまとめなければ、ずっと捨てられないままだ。

家事という「贖罪」

「妻なりに子育てに必死なのはわかるが、できる人は家事も育児もできている。専業主婦で家にいるんだからもう少し頑張ってほしいと思ってしまう」

前述のように「大黒柱」の夫の多くは、

「働かなくてもいいけど、キミが働きたければどうぞ」

と「理解ある」スタンス。家族を養うために働く選択肢しかない夫にとって、社会的地位や「やりがい」にこだわる妻はややこしく、専業主婦に役割分業してもらって仕事に集中できたほうが楽なのだ。

広告会社に勤める男性(42)は、子どもがほしい。41歳の妻は妊娠・出産のリミットが迫っている。だが、念願の介護の仕事に就けてやりがいを見いだした妻にその話題はタブー。家庭の事情から、出産は妻のキャリアと引き換えになるからだ。いっそ妻と離婚して若い女性と、と考えたこともある。

帰宅すると、夕食が必ず用意されている。午後8時に帰宅して座る暇もなく台所に立つ妻の姿が目に浮かぶ。仕事をしながら家事も完璧にこなすのは、子どもを持たないことに対する妻なりの「贖罪」なのではないかとさえ思う。

「もういいから、僕のために専業主婦になってくれ」

そう言えない苦しさの奥から愛おしさがこみ上げてきて、たまらなくなるのだった。

(調査は「NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション」を通じて、1月中旬に実施。首都圏1都3県に住む世帯年収500万円以上、35~54歳の既婚男女520人が回答した)

(AERA編集部:小林明子、撮影:関口達朗)

※AERA 2014年2月24日号

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