医学部の受験に比べれば、文系はすべて「のんびり」しているように映るのかもしれない。全員が優秀で仲の良い家族の様子も目に浮かぶようだ。村岡さんはいわゆるガリ勉ではなく、両親や教師の教えを素直に聞いて、どんどん吸収する優等生タイプなのだろう。
ただし、大学選びはともかく、学部の選択は間違えてしまったようだ。村岡さんは経済学部に入学したが、授業を受けていて商学部に入るべきだったと気づいたという。
「私が経済学部を選んだ理由は、実家がとっていた日経新聞を子どもの頃に眺めていて、株式欄に羅列してある数字に興味を持ったことです。わからないから知りたい、勉強したいと思いました。でも、経済学は(株式などではなく)『最大多数の最大幸福』を探求する学問。私はいかに幸せになるかではなく、いかに儲けるかを勉強したかったのです」
パワフルなオジサンが好き
学部選びは失敗してしまった村岡さんは、大学の枠を超えたビジネス系サークルに所属して大いに打ち込んだ。学生時代に付き合った男性は2人で、ともにサークルで出会った東大の男性だ。村岡さんのようなかわいらしさがあれば、女子学生の少ない一橋大の経済学部では大いにモテたはずだ。
「ひとりの人とステディに付き合うのと、たくさんの人と遊ぶのと、どちらが『モテる』というのかわかりません。私は前者のタイプです。結果として東大生とのお付き合いが続いたので、それに勝る一橋生がいなかったのだと思います。一橋は良くも悪くも小さくまとまっている人が多いですよね。私の同級生たちも男性は28歳までにさっさと結婚しました。相手は幼稚園の先生とかで、『どこが好きになったの?』と聞いたら、『弁当を作ってくれるところ!』とうれしそうに答えるのです……。それに比べると、東大や慶応の人たちはガツガツしていると思います。問題意識も情報感度も高いですね」
僕も一橋の卒業生なので少し気が滅入ってくる。天真爛漫な村岡さんは追い打ちをかける。本連載第1回の冒頭で僕が書いた「年齢・学歴・収入などにおいて下方婚を志向する男は、自信過剰のアホ」論には欠陥があるという。
「30代後半の女性ならばともかく、(結婚市場において価値の高い)20代の女性が上方婚を目指す男性に魅力を感じると思いますか? 私は感じません。パワフルでキラキラしているおじさんが大好きですから」
大学の同級生で自分より稼ぎのある女性と30代後半に結婚した僕としては、もはや絶句するしかない。でも、「パワフルなおじさんが大好き」と言い切るのは面白い。学生時代から6歳年上の東大卒の社会人と付き合っていた村岡さんの好みは、一貫しているのだ。
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