グーグルが「スマートホーム」に本気を出す理由 アメリカ本社責任者「日本で新製品続々投入」
「クロームキャスト」から始まった戦略
――そもそもなぜグーグルは家の分野に目をつけたのでしょうか。
コンピューティングのパラダイムシフトを振り返ると、PCからウェブに移り、ウェブからモバイルに移った。それぞれの過程でより多くの人々にサービスを提供し、グーグルは利益を出してきた。ただ、家という文脈ではノートPCやスマートフォンのようなブレークスルーを起こせていなかった。
家族や友人と家で過ごしているときには、必ずしもデバイスを目の前に持っているとは限らない。われわれが家庭向けに最初に発売したのが「クロームキャスト」(テレビを自宅のWi-Fiにつなぎ、スマホなどからコンテンツを流せるようにする端末)だ。グーグルのサービスやコンテンツを家でも使いやすくすることを考えたデバイスだった。
ここから家の中でグーグルがどう役に立てるかという長期ビジョンを考えていった。その中で会社として行き着いたのが、「アンビエントコンピューティング」という考え方だ(アンビエントは「周囲の」「ぐるりと取り巻く」という意味)。これこそが次世代のコンピューティングになると考えている。
――昨年8月にはグーグルのスマートホーム製品の部門とネストを統合しました。
これまでは1点1点の製品を出してきた。ビジネスはうまくいっていたし、各カテゴリーで1位、2位を争うものに成長した。だが、もっと大きく考えるべきだと感じた。アンビエントコンピューティングの力を家の中で解放し、どのような未来につなげるべきかを考えた。
ネストがグーグルから分離した組織だったことで、ネスト製品はこれまでグローバル展開できなかった。統合によってすべてのテクノロジーを届けることができる。スマートスピーカーの「Nest Mini(ネスト・ミニ)」やスマートディスプレイの「Nest Hub Max(ネスト・ハブ・マックス)」はすでに日本でも発売し、Wi-Fiルーターの「Nest Wifi(ネスト・ワイファイ)」はまもなく日本でも展開が始まる。
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