グーグルが「スマートホーム」に本気を出す理由

アメリカ本社責任者「日本で新製品続々投入」

グーグルはスマートディスプレイ製品「Nest Hub Max」(写真中央)を11月22日に発売。日本でもハードウェア製品の展開を広げている(写真:尾形文繁)
グーグルが自社開発のハードウェア製品群を年々広げている。2018年8月には、2014年に32億ドルで買収したスマートホーム製品を手がける「ネスト」の組織を、グーグルのハードウェア部門に統合。サーモスタット(温度調節器)や煙探知器、ドアベル(インターホン)、監視カメラなど家庭で使うデバイスのラインナップが大きく広がった。
ここ日本でも11月22日にスマートディスプレイ製品の「Nest Hub Max(ネスト・ハブ・マックス)」を発売。来年早々にはWi-Fiルーターの「Nest Wifi(ネスト・ワイファイ)」も投入予定だ。さらにアメリカで展開するネストの製品の日本導入も検討中だという。
今後、家のスマート化はどこまで進むのか。11月中旬に来日したグーグル・ネスト部門の責任者、リシ・チャンドラ氏に話を聞くと、グーグルの中長期的な野望が見えてきた。

「クロームキャスト」から始まった戦略

――そもそもなぜグーグルは家の分野に目をつけたのでしょうか。

コンピューティングのパラダイムシフトを振り返ると、PCからウェブに移り、ウェブからモバイルに移った。それぞれの過程でより多くの人々にサービスを提供し、グーグルは利益を出してきた。ただ、家という文脈ではノートPCやスマートフォンのようなブレークスルーを起こせていなかった。

グーグル・ネスト部門の責任者を務めるバイスプレジデントのリシ・チャンドラ氏は、日本での製品群拡大にも意欲を示した(撮影:今井康一)

家族や友人と家で過ごしているときには、必ずしもデバイスを目の前に持っているとは限らない。われわれが家庭向けに最初に発売したのが「クロームキャスト」(テレビを自宅のWi-Fiにつなぎ、スマホなどからコンテンツを流せるようにする端末)だ。グーグルのサービスやコンテンツを家でも使いやすくすることを考えたデバイスだった。

ここから家の中でグーグルがどう役に立てるかという長期ビジョンを考えていった。その中で会社として行き着いたのが、「アンビエントコンピューティング」という考え方だ(アンビエントは「周囲の」「ぐるりと取り巻く」という意味)。これこそが次世代のコンピューティングになると考えている。

――昨年8月にはグーグルのスマートホーム製品の部門とネストを統合しました。

これまでは1点1点の製品を出してきた。ビジネスはうまくいっていたし、各カテゴリーで1位、2位を争うものに成長した。だが、もっと大きく考えるべきだと感じた。アンビエントコンピューティングの力を家の中で解放し、どのような未来につなげるべきかを考えた。

ネストがグーグルから分離した組織だったことで、ネスト製品はこれまでグローバル展開できなかった。統合によってすべてのテクノロジーを届けることができる。スマートスピーカーの「Nest Mini(ネスト・ミニ)」やスマートディスプレイの「Nest Hub Max(ネスト・ハブ・マックス)」はすでに日本でも発売し、Wi-Fiルーターの「Nest Wifi(ネスト・ワイファイ)」はまもなく日本でも展開が始まる。

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