「LINEの街」福岡市で見たスマホ生活の未来 決済や公式アカウントまで全面タッグを推進
従来のメッセンジャー機能を超え、日常生活のあらゆる場面に入り込むことを目指すLINE。国内月間8100万のユーザー数は天井が見えてきており、ユーザーの利用頻度を上げ、1人当たりの収益をいかに拡大するかが成長のカギを握る。
7月29日発売の『週刊東洋経済』では、「LINEの岐路」と題した特集を掲載。同社が今期600億円を投じて育成するスマホ決済、AI(人工知能)事業についてや、それらで実現しようとしている「Life on LINE」構想について詳報している。
そんなLINEの描く理想形に、近づいている街がある。福岡市だ。
公共施設で利用できるLINEペイ
「LINE Pay 福岡市の施設・窓口でご利用いただけます!」。福岡市の市庁舎や各区役所の入り口には、そう書かれた緑色ののぼりがはためく。
一般的にLINEペイは飲食店などで使われるが、福岡市内では市役所や区役所の20の窓口や、美術館や動植物園など39の公共施設で利用できるようになっている。
LINEペイは国内月間利用者490万人を抱えるスマートフォン決済サービスだ。5~6月に行った「全員にあげちゃう300億円祭」と題した還元キャンペーンはじめ、目下大金をつぎ込み育成を図る。今年中にグローバルの月間利用者数を1000万人まで増やしたい考えだ(直近では741万人)。
ソフトバンク・ヤフー連合の「PayPay」、楽天の「楽天ペイ」など、ライバルは圧倒的な資本力、組織力を持つ手ごわい相手だ。そんな中で、福岡市が全面的に組む相手として選ぶに至った、LINEならではの強みは何か。
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