グーグルが「スマートホーム」に本気を出す理由

アメリカ本社責任者「日本で新製品続々投入」

――1つひとつのハードウェアが大事なのではなく、複数のデバイスがまとまることで新たなサービスが可能になると。

ハードウェアをただ作っているだけではビジネスは成功しない。過去20~30年にハードウェアを作ってきた会社は山ほどあるが、われわれの強みはハードウェア、ソフトウェア、サービスを組み合わせたユニークなアプローチにある。グーグルのハードウェア部門も今年、「デバイス&サービス」部門に改称した。このほうが目指すもののイメージに近い。

(ハードウェアが増えることで、)グーグルの既存サービスの展開も広がるうえ、クラウドゲーミングの「Stadia(スタディア)」のような新たなものも生まれている。クロームキャストは家の中にストリーミングを持ち込み、メディア視聴のパラダイムを変えた。動画やテレビ、音楽が楽しめるなら、ゲームも可能だろうと考えたことが、われわれをスタディアの開発に駆り立てた土台になっている。

グーグルが今年11月から提供を開始したクラウドゲーミングサービス「Stadia」(記者撮影)

ネストにもハードウェアの製品群の上に「Nest Aware(ネスト・アウェア)」というサービスがある。カメラで撮影した動画を一定期間保存したり、不審なものを検知したときにアラートを出したり、スマートスピーカーがアナログの煙探知機の音を検知したりといった機能を月額課金でアメリカ国内で提供している。

不思議なことに、これだけコンピューターが進化する中で、家は過去30年間ほとんど進化してこなかった。だからこそこれまでできなかった方法で消費者の役に立つサービスをつくれないかを考えている。これが大きな商機になる。

音声には改善の余地

――スマートスピーカーをはじめとして、スマートホームにおけるインターフェースは声が主になっているように思います。声以外も含めて、どのようなインターフェースができていくのでしょうか。

そもそもアンビエントコンピューティングは、自然な人間のコミュニケーションを模倣してできている。ジェスチャーもその一例だろう。Nest Hub Maxでは画面の前に手をかざすと、「(音楽などを)止めて」という指示になる。タッチもよく使われるインターフェースで、Nest Hub Maxでも採用されている。普段の自然な振る舞いと同じように、テクノロジーが機能するべきだ。

音声に関してはまだまだ改善の余地があると思う。今回日本ではいくつかの家に訪問したが、とくに日本ではまだテクノロジーに話しかけることがアメリカほど自然なものになっていない。快適に使えるようになるまではまだ時間がかかるだろう。

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