創造的!「空き家」巡る奇想天外ビジネスの実態 ゴミ屋敷や廃墟から限界集落の戸建てまで

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ネット上だけではなく、リアルの場で投資家や、再生を応援する人たちが顔を合わせる機会も多く、人間関係が生まれやすいのも特徴だ。空き家に悩んでいる人が投資家として参加して、同じ悩みを持つ人と出会い、応援し合うといった協力関係も生まれているという。

空き家活用をビジネスとして考えたい人なら空き家再生プロデューサーという講座を受ける手もある。全国各都市で行われる2日間のベーシックコースをはじめ、いくつかのコースがあり、2017年に創設された小規模不動産特定共同事業者登録を目指すのもありだろう。

空き家を利用した店は増えている

これは資金不足で動かせなかった空き家などの遊休不動産を、これまでより容易に事業化するための仕組みで、簡単にいえば「不動産特定共同事業」への参入障壁の緩和である。同社では2018年にこの仕組みを利用した第1号案件として神奈川県の葉山町に古い蔵を利用した宿泊施設をオープンさせており、他に先んじたノウハウがあるのだ。

宿泊施設に限らず、空き家を利用した飲食店、物販店などは全国で増えており、うまく使えれば魅力的な施設となりうる。だが、そのためにはさまざまなジャンルの知識が必要で、特にポイントとなるのは資金面。それを学べるというのだ。

運営に当たる事業企画部メンバーと福田氏(後列右から3人目)。全体としても30代、40代が中心の会社だが、特にこの事業部は若いとのこと(筆者撮影)

空き家からは多少離れるが「地方で生き残りを考える不動産会社や、不動産と金融に知見があり、地方にU、Iターンしようと思っている人ならこの知識は鬼に金棒」とエンジョイワークス代表の福田和則氏は言う。

国土交通省は2017年から2022年に新たな不動産特定共同事業への参入が800社、空き家・空き店舗等の再生への投資を約500億円という数値を目標として掲げているが、2019年8月末現在での登録はわずか9社。これはチャンスと見るべきと思うが、どうだろうか。

空き家が増え、住宅価格が下がることは持っている人にとっては脅威だが、活用次第ではチャンスにもなる。最後に個人として複数の空き家を再生し、自宅とすることで住居費を低減したり、賃貸することで資産を築いている例を紹介したい。

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