複合施設「ハレザ」で池袋はどう変わるのか

ハイカルチャーとサブカルチャーが混ざる街

吉岡:立教大学には「広場」のひとつの原型のようなものがあります。立教大学が築地から移転したのが101年前の1918(大正7)年。池袋周辺は成蹊学園の前身である全寮制の成蹊実務学校や、東京府豊島師範学校、自由学園、学習院ができ、学園都市の様相を示していきました。立教は教育機関として当時のまま残り、池袋との切っても切れない関係のなかで、互いに居心地のいい場所をつくってきました。

かつては高野区長のご実家の書店、高野書店をはじめ、西口には多くの本屋さんがありました。今でも旭屋はありますが、すっかり寂しくなってしまった。しかし、東口には丸善ジュンク堂や、東池袋には豊島区立中央図書館という知の宝庫があります。今後は、「本のまち」「学問のまち」という側面もあるとよいと思います。

絶えず変化するまちに、「居心地よさ」を求めて

吉岡:居心地がいいということで言えば、僕は世田谷の人間で、池袋には、渋谷と新宿と同じように、山手線西側の文化のイメージがあったんですが、実は違っていたことに気がつきました。

昔は都電、今は都バスのルートで行き先になっている、浅草などの下町や、上野につながる文化が背景にある。また、関東大震災のときには東京の東側から多くの人が移ってきました。それから埼玉ともつながっている。話題になった映画『翔んで埼玉』の、「世界埼玉化計画」の拠点は池袋ですからね(笑)。

近藤:もともと、人が集まる要衝。地の利があるんですね。

高野:池袋北口の東西を地下で結ぶ「ウイロード」は、薄暗くて、汚くて。ここを通るのはなかなか勇気がいるような場所でした。

改修され明るくなった、池袋駅西口(北)と東口を結ぶ地下歩道「ウイロード」(写真:豊島区)

吉岡:そうですね。普段は通るのを避けてしまいがちですね。

高野:当初のリニューアル計画は、壁面をパネルで覆い、アート空間に仕立てるというものでした。ところが、ある日、壁に直接作品を描きたいと、植田志保さんというアーティストが直談判に来ました。結果、約10カ月をかけて、「再生」することになり、公開制作が佳境を迎えています。

ここは1日3万人、土日で4万5000人が通るんですが、女性の通行者が約3割。ベビーカーが通れる唯一の東西を結ぶ場所ですので、再生によって、女性に好まれるようになればと思っています。

「ハレザ池袋」の建設中、まちの様相が刻々と変わっていっています。たとえば目の前のマンションの塗装が明るいものに変わったり、近くの蕎麦屋がいつのまにかお城みたいな建物にしていたり。まちというのは絶えず変化している。中心でよいものをつくれば、それが周辺に広がっていくのだなと思いました。

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