複合施設「ハレザ」で池袋はどう変わるのか ハイカルチャーとサブカルチャーが混ざる街
吉岡:区長のアイデアですごいと思ったのは、まず、トイレをきれいにしようという取り組みです。公園をはじめ、公共施設の利用者の多くは女性ですから、とても大切な視点です。確かにきれいなトイレがあると、我々男性もまちを歩いていて安心しますね。
高野:「ハレザ池袋」の2階、3階に、かなり大きなトイレのスペースを設けました。あんな一等地につくって、何の意味があるのかと叩かれましたが、ただ数をつくるのではなく、パウダールームもつくって、コンシェルジュも置きました。
吉岡:8つの劇場は、幕間の休憩時間をずらして、共通のトイレを使えるようにしているんですよね。
高野:デッキで全部つないで、すぐ使えるようになっています。また一般の方も1階から上がって使えるようにするんです。
誰もが主役になれるまち
近藤:トイレの見学者が多くなりそうですね。
それから、「ハレザ池袋」にはホールのエントランスに向かう階段がありますが、ここがにぎわうとよいですね。
高野:あれは宝塚の大階段をイメージしているんです。
近藤:ああ、なるほど、すごいですね。
高野:これ、うまく考えたでしょう。普通は、エントランスにホワイエがあって、ただ劇場に入っていくだけですよね。でも、この階段は、主人公になった気持ちで入ってもらうことができます。すばらしい作品を見た後は、トップスターになった気持ちで階段を降りられる。余韻が残るわけです。それがまち全体に広がっていったら、素敵なんじゃないでしょうか。ワクワク、ドキドキするでしょう。
――誰もが主役になれるまち。まずは階段で体験することから始まりますね。今日はありがとうございました。
(文・土屋典子)
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