複合施設「ハレザ」で池袋はどう変わるのか ハイカルチャーとサブカルチャーが混ざる街
「文化」と「地域力」が活力を生む
――豊島区はいま、池袋を中心にかつてないほどの変貌を遂げようとしています。
高野之夫・東京都豊島区長(以下、高野): 戦後、闇市の撤退が遅れた池袋には、長い間「暗い、怖い、汚い」というイメージがありました。それを払拭するために、2000年代に入ってまもなく、「文化によるまちづくり」に着手しました。成果の手応えを感じていた2014(平成26)年5月、日本創成会議が発表した「消滅可能性都市」に、東京23区で唯一、豊島区が挙げられてしまった。ショックでしたね。自信が見事に打ち砕かれました。
よし、このピンチをチャンスに変えようと、すぐに対策本部を立ち上げ、矢継ぎ早に政策転換を図りました。その時点で、すでにセーフコミュニティ(世界保健機関が推奨する安全・安心まちづくりの国際認証制度)推進に力を入れていましたが、女性や高齢者にやさしいまちづくりと、日本の推進力になるような国際アート・カルチャー都市をつくることを打ち出したのです。
近藤先生に構想をお話しし、翌年、国際アート・カルチャー都市懇話会(以下、懇話会)会長になっていただいたわけですが、先生は内心、池袋には無理なんじゃないかと思っておられたのではないですか(笑)。