小学生時に「読解力」の決定的な差が生じる理由 その基礎・基本は学校の授業では教わらない

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江戸が当時世界最大級の商業都市で、「読み書きそろばん」が就職や出世に有利だったことや寺子屋の普及などにより、日本は200年前から際立って識字率が高い国です。(33ページより)

すっと自然に読める人と、「漢字が多くて嫌だな」と感じる人に分かれるかもしれない。そしてRSTの結果から考えると、見た瞬間に「無理!!」と諦める層が国民の25%くらいいたとしてもおかしくはないと著者は記している。

江戸、当時、最大級、都市、出世、有利、寺子屋、普及、際立つ、識字率(33ページより)

ポイントは、これらの単語に対する理解力だ。これらの意味を知らないと、この文を「読んでわかる」ようにはなれないということである。

辞書は特別な人のためのもの?

単語の意味がわからないのであれば、「辞書で調べればいい」という考え方もあるだろう。そこで、ここでは試しに『広辞苑』で「寺子屋」を引いてみている。

寺子屋 ①江戸時代から明治初年の学制公布までに設けられた、庶民の子弟のための教育機関。いわゆる読み・書き・そろばんを中心に世俗的な教育を施し、庶民・武士・僧侶・医師・神官などが経営に当たった。(以下略)(34ページより)

気づくのは、「学制公布」「庶民」「世俗的」など、「寺子屋」よりも難しいたくさんの言葉が用いられていることである。しかも、それらの言葉を調べると、さらに難しい言葉が出てくることになる。

辞書を引くことで「文を理解する」ことが助けられるどころか、かえって大変なことになってしまうのだ。これは小中学生向けの辞書でも、あまり状況は変わらないそうだ。

つまり辞書は、そこに載っている語彙の大半を日常的に使える人が、たまに出会う未知の語の意味を調べたり、正確な定義を改めて知りたかったりするときに使う道具にすぎないということ。「文中の5割を知らない」という状態の人にとっては、ほとんど助けにはならないのである。

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