ネクタイの結び方も『LEON』流
――総編集長、ネクタイが曲がってますけど……。
これはですね、イタリアのオヤジがよくやっている結び方で、ノット、つまり結び目も剣もちょっとズラすんですよ。まっすぐに結んじゃうと、当たり前すぎてつまらないじゃないですか。『LEON』流に言えば、「ちょいハズし」なんですけど、ファッションは少しでも遊びの要素を取り入れないとつまらないですから、ネクタイの結び方でも遊んでいます。
――失礼しました。『LEON』を見ていると、そういう提案がたくさんありますが、そのアイデアはどこから出てくるのでしょうか?
編集部員は常日頃、イタリアへ行きまして、現地の男たちがなぜカッコイイのかを研究しているんですよ。つまり、地道な研究開発の結果が誌面に表れているということです(笑)。ただ、イタリアのファッションをそのまま持ってきてもつまらないですから、われわれの解釈を加えて、たとえば、日本人の男だったら、こういう“こなし”方がいいだろうと考えて、そのスタイルを提案しています。
――遊びの延長で雑誌ができているのではなく、企業的な戦略と戦術があるということですね。
もちろんそうです。『LEON』といえば、「ちょい不良(ワル)」という言葉が独り歩きして派手な雑誌に思われがちなんですが、実は編集部全員にビジネス感覚をたたき込んでいます。そのうえで緻密な計算をして、強いオリジナリティを打ち出すようにしています。紙媒体は最近ちょっと元気がないですから、その中で生き残っていくためには、日々の地道な努力が必要だと思っています。
ジローラモと海外ロケに行って、美しい女性をはべらせて撮影してるだけじゃないんですよ(笑)。