バラが食べられる?花業界で起きる「大変革」 サブスクからSNSまで、異業種から相次ぐ参入

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「SNSで発信するなど消費者のニーズをとらえられれば、もっと共感は得られるはず」と語るROSE LABOの田中綾華社長(撮影:尾形文繁)

市場が縮小し続ける花卉(かき)業界に、新風が吹き始めている。その新しい風の担い手は、それまで花卉業界とはまったく無縁だった異業種の若者たちだ。

「地方の人でも、栽培時の様子を動画で配信するなど、1次産業のアナログな部分とテクノロジーを組み合わせれば成長していける。花市場が縮小しているのは事実だが、どの国でも花業界がなくなることはない」

そう言って笑顔を見せるのは、埼玉県深谷市で「食べられるバラ(エディブルフラワー)」を生産・販売する「ROSE LABO」の社長、田中綾華だ。

バラ農家へいきなり弟子入り

田中はまだ26歳。私立大学に在学中、自分の進路で思い悩んでいたときに、母親から「食べられるバラがある」という話をたまたま聞き、一念発起して大学を中退。ネットで探して見つけた大阪のバラ農家へいきなり弟子入りした。

家族経営だったバラ農家に泊まり込み、2年間修業。バラ栽培の難しさを体感した。同時に「バラ農家は作るプロだが、売るプロではない」という農家のプライドが弱点になっていると感じてもいた。

「このままではどんなにいいバラを作っても、可能性は終わってしまう。SNSで発信するなど、消費者のニーズをとらえられれば、もっと共感は得られるはず」

田中が着目したのは、バラの中に美容や健康にいい成分が含まれているという点だ。「花が食べられる」ということも一般の人にはあまり知られていない。そこで2015年9月、思い切って起業することにした。

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