バラが食べられる?花業界で起きる「大変革」 サブスクからSNSまで、異業種から相次ぐ参入
花の種類は毎週、ランダムに入れ替わる。「どんな花を選んでいいかわからない人には、プロの花屋がアレンジしてくれる。子育てや家事で忙しい人には定期便で届けることで、自分で買いにいかなくても手軽に楽しんでもらえる」(武井)。
もともと、花の買い方はオーダーメイドに近い。花に詳しい人なら迷わないが、そうではない人には毎回花を選ぶのは苦労してしまい、本来の花のよさが生かせなくなってしまう。
また、花は生き物であり、水分が欠けると、枯れたり、しおれたりしてしまう。そこで、同社はポストに入るようなパッケージに工夫をこらした。
季節変動が激しい日本の花消費市場
「いまだに3カ月に1回、形状を変えてパッケージを進化させている。マンションによってポストのサイズはバラバラで、当社の箱なら9割近くのポストに入る」
生き物であり、繊細な取り扱いが求められる花卉の配送や物流まわりは、花業界に共通する難題でもある。職人気質の多い花業界で、これまで花の定期配送はタブーに近かった。同社は水分を補給できる特殊なジェルを使い、客のもとに届けることを可能にした。
「花の課題の1つは単価の高さ。平均単価は5000~6000円。花が生活圏内にないので、プレゼントとして想起されることもない」
日本の花の消費は季節の波が激しい。5月の母の日に消費は集中し、逆に夏や秋は閑散期となる。定期便を導入すれば、需要の季節変動も平準化される。町中にある花屋は全国に約2万5000軒あるとされ、小規模な個人経営が多い。こうした小規模花屋の売り上げが安定するメリットも出る。
今年8月には3億円の資金調達を果たした。調達した資金を生かし、ユーザーの嗜好に合ったユーザー体験の向上や法人ユーザー獲得によるチャネル拡大に生かしていく考えだ。
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