グーグル新サービスは「プレステ」を殺すのか? 「STADIA」がソニーや任天堂に与える影響とは
グーグルが3月19日に発表したゲームストリーミングサービス「STADIA」の発表は、プレイステーションを販売するソニー、Switchが人気の任天堂の株価下落をもたらすなど、料金体系やサービス開始時期も明確ではない中にあって業界に大きなインパクトを与えている。
ゲームストリーミングサービスとは、コンピューターゲームに必要なハードウェアを“ネットの向こう側”に配置して動かし、端末へと表示画面をストリーミングで配信するサービスだ。
端末は画面表示やコントローラー操作などユーザーと直接やりとりする要素のみを扱えればいいため、高性能なゲーム機やゲーミングPCを用意しなくとも、テレビやパソコン、タブレット端末やスマートフォンなど種類を問わずに遊ぶことができる。
グーグルは、マイクロプロセッサーメーカーのAMDと共同で高性能なGPU(3Dグラフィックスやシミュレーション処理などに用いる演算用LSI)を新規開発。能力は10.7TFlopsで、これはPlayStation 4 Proの2倍以上の数値となる。
近年、こうしたゲーム機向けタイトルは開発費の高騰もあり、特定の機種だけでなく、多数のゲーム機やパソコンでも遊べるよう開発されることが多い。それらが、STADIA上でも動くようになれば、利用者はゲーム機やゲーミングPCを購入することなく遊べるようになる。
発表直後のソニーや任天堂の株価への影響は、消費者がゲーム機を買わなくなる可能性を考慮してのものだろう。
“ゲームプラットフォーム”普及に求められる要素
ゲームストリーミングサービスは、これまでにもソニーがPlayStation 3用ゲームをPlayStation 4で遊べるようにするためのPlayStation Nowというサービスを展開している(現在は一部のPlayStation 4用ゲームも遊べる)。また、マイクロソフトもProject xCloudという同種のサービスを発表済みで、年内にプレサービスが開始される予定だ。
グーグルは自社内に新しいゲームを開発するスタジオを開設し、ゲーム開発への投資を行うという。id Software、Ubisoftといった大手ゲームパブリッシャーとの提携も発表し、STADIA上でのゲームを開発しているという。
これらはプラス要素だが、100以上の開発用ハードウェアを開発者に届けているとしているものの、他スタジオの動向については触れていない。さらに料金体系なども未発表である。
それでもグーグルの発表が大きな話題になっているのは、ゲームを遊ぶプラットフォームを普及させる際に求められる要素がそろっているからだ。
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