学生が軽蔑した面接担当者の「ひんしゅく発言」 セクハラや就職差別につながる質問が横行

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女性活躍推進は安倍政権の重要施策だが、面接官の発言には差別発言が少なくない。「大卒の女」(文系・その他国公立大)という言い方がいまだに残っていることに驚く。「女の子だから一般職で来てくださいね」(文系・中堅私立大)、「女だから結婚したら仕事続けなくていいもんね」(文系・その他私立大)と、古めかしい男女差別意識が残っている企業は多そうだ。

その企業の文化が古いというだけではない。日本の企業社会全体が古めかしい。クライアントとのやり取りに女性が有利、不利であることはあるかとの質問に「『なめているのか、担当を代えろ』とお客様に言われることがある」(文系・上位私立大)と発言した面接官がいる。

「女性は一般職」

総合職と一般職についての発言は興味深い。いろんな言い方をしているが、要約すると「普通の女子は一般職がいい」「総合職になる女性はスーパーウーマンでごく一部」と言っているようだ。発言の印象からは総合職の女性にコンプレックスを持っているようにも読める。

「総合職の女は女扱いを受けないからな」(文系・上位私立大)

「『君は優秀だし学歴もいいけど、女性は総合職になるのが難しいよ。同じ総合職の男性より1回りも2回りも頭がいい人が多い』という言葉。同じ職に就くのに男女で合格基準に違いがあるのが驚きだった」(文系・旧帝大クラス)

「(営業職メインの専門商社の社長あいさつで)『女性は男性と違って将来家族を養うという覚悟がないから、営業や総合職に対して男性に比べて覚悟がない。女性は一般職で働くことを考えたほうがいい』という主旨の言葉」(文系・上位国公立大)

男だから、女だからという考え方は、昭和以前の価値観に基づいている。こういう価値観は化石化しており、今の学生には通じない。

「なぜ女子大に入ったのか? という質問。なぜこの大学に入ったのかという質問ならわかるが、女子大にこだわって受験したわけではない私にとって、よくわからない質問だった」(文系・上位私立大)。この学生は「よくわからない質問」と書いているが、よくわからないというより間が抜けていると思う。

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