5年越しの政策が一瞬で消えた?
このように、韓国の英語教育に革命を起こし、日本の将来の英語教育改革のモデルにもなるやもと期待されていた NEAT(国民英語能力試験)。しかし李明博氏から朴槿恵大統領へと政権が替わり、状況は一変しました
2013年の6月、突然、NEATに対する衝撃的な報道があったのです。記事の内容は次のようなものです。以下は世界日報からの翻訳抜粋です。
「教育部が、39億円をかけて開発したNEATの修学能力試験の代替という計画をなかったことにするという結論を出したということが明らかになった。李明博政権が、政策の実行力や教育現場調査を怠ったまま強行した結果、国民の税金だけが無駄遣いになったと多くの国民から指摘された。
~中略~
NEATの修学能力試験の代替案に関して、李明博前大統領は、2013年からの導入を目指してきたが、2016年に見送り、最終的には『次期政権に任せる』と責任を逃れた。結局、学校教育現場の調査がきちんと行われていなかったうえに、当初の公教育のみで進める計画からは外れ、私教育熱に油を注いだこととなり、学歴格差の深刻化、広報不足などの問題にぶつかってしまったのだ。これまで研究・開発に当たり、39 億円という税金が使われ、5年という時間もかかってしまった NEATは今や李明博政権の政策失敗の代表的例として挙げられてしまっている。~後略~」
さらに 2013年10月のMoney Todayではこんな記事も伝えられています。
「教育部がNEATを修学能力試験への代替案を廃止して2カ月が経ったが、試験自体を廃止する方案を、検討中であることが明らかになった。100億円以上の予算が使われた事業であるため、多くの批判が寄せられているという」
NEATに関する記事の中では、教育部の関係者の話も伝えられています。「政府は NEAT2・3級の廃止に向けて方針を固めたと伝えられている。5年も続いてきた政策が一瞬にしてなくなってしまうことになる。内部的にも動揺が激しい」とのことです。また、韓国政府は見解として「システム構築もちゃんとされないまま進められてきた結果だ。廃止は当然である」と述べたことが伝えられています。
「NEAT は世界初のVDI(Virtual Desktop Infrastructure:クライアントPCのデスクトップOSを仮想化すれば、管理コストなどを削減できるというシステム)を採用したが、その準備不足によりこのようなことが起きた。さらなる予算が必要となるが、現在の朴槿恵大統領にそのような考えはないだろう。正確に言うと、そのようなおカネは、今ない」という関係者の話も伝えられています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら