東京駅で行列する「ロールケーキ店」の正体

駅やサービスエリアで「手土産」として人気

ロールケーキ専門のブランドとして2007年にアリンコを立ち上げ、第1号店として嵐山本店をオープンした。観光地という土地柄を踏まえ、ロールケーキのほかに食べ歩き用の「アリンコサンド」も販売したことがヒットし、あっという間に有名店に。

2008年に東京駅一番街、2010年に文京区小石川、2014年に舞浜のイクスピアリ内と展開を進める。その他、各地のSAなど地方への出店も広げ、現在、名古屋駅、羽田・徳島・出雲各空港、有磯海SA(下り)、談合坂SAなどで地域限定のロールケーキを購入することができる。

土地土地の魅力ある食材を発掘して使用

冒頭にも述べたが、同ブランドの大きな特徴がご当地色を強く押し出していることだ。

「北陸道のサービスエリアの店舗では、加賀の五郎島金時、福井のコシヒカリの米粉などを使ったロールケーキを地域限定商品としています。名の知られた食材のほかにも、小さな農家さんが一つひとつ丁寧につくっている桃など、土地土地の魅力ある食材を発掘して使っています」(福地氏)

理由は、一つには、社の一本通った方針である地域密着、地方創生という考え方から。また、バルニバービという会社はもともとスタッフの自主性を大切にしていることから自由度が高く、店づくりやメニューも店舗発信で検討されているため。スイーツのブランドに関しても、スイーツを開発するパティシエが活躍する場を設けることを第一の目的としているようだ。

「その結果、ありがたいことにお客様に喜んでいただけて社の利益にもつながるということになっています。もっとも、地域密着展開によって、地元の方がファンになってくださることも大きいようです」(福地氏)

そのことを示すのが、小石川工場前店のオープンにまつわるエピソードだという。現地では2008年より工場のほか同社のイタリアンレストランも展開していたこともあり、以前から地域との信頼関係を築いてきていた。街路樹としてオリーブを植える活動を先導したり、ゴミ拾いなどのイベントにも積極的に参加するほか、工場で出るロールケーキの端切れを安値で販売するなどもその1つだ。

「オープンの日は2月で、雪が降ってとても寒い日でしたが、300人の行列ができました」(福地氏)

客数はアリンコで最も売れる東京駅で通常日に130人、クリスマスなどのシーズン期で200人弱とのことなので、300人の行列が同店にとっていかに大きいことかがわかる。小石川工場前店は用事のない人はまず通らない住宅街にあるのでなおさらだ。

客層は店によってまったく異なり、嵐山本店ならば観光客、東京駅では意外にも、サラリーマンが多いそうだ。

「奥様へのお土産として買っていかれるようです」(福地氏)

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